海外通信NO.125 静寂と仮面の迷宮へ —ヴェネツィアが世界に問う「豊かさ」とは

海外通信NO.125 静寂と仮面の迷宮へ —ヴェネツィアが世界に問う「豊かさ」とは

2月、北イタリアの「水の都」ヴェネツィアは、1年で最も幻想的な空気に包まれます。

世界三大カーニバルの1つ、「ヴェネツィアのカーニバル」の開幕です。南米の熱狂的なパレードとは一線を画しており、霧がかる運河沿いを、中世の豪華絢爛な衣装と精巧な仮面(マスケラ)を身につけた人々が街を練り歩く姿は、まるでルネッサンス期の絵画にタイムスリップしたかのような幻想的な風景が繰広げられます。

この仮面文化の起源は12世紀、ベネチア共和国時代の戦勝祝いにまで遡ります。かつて厳格な身分制度があった時代、仮面は「匿名性」という自由を人々に与えました。貴族も平民も、仮面の下では素性を隠し、対等な立場で宴を楽しんだのです。1797年にナポレオンによって一時禁止されましたが、1979年にイタリア政府によって復活を遂げたこの祝祭は、今や歴史と文化を讃える美の象徴となっています。

しかし、この街を特別なものにしているのは、祭りの華やかさだけではありません。実はヴェネツィア本島は、世界でも極めて珍しい「自動車の乗り入れが一切禁止」された街です。

街の大きさは、東京ディズニーランド約3個分、目的地へ向かうには、太鼓橋や迷路のような路地を通らなければ行くことができません。

公共交通機関は水上バスや水上タクシーのみ。パトカーや消防車といった緊急車両までもが、すべて船で移動するのです。

そんな「静寂」を守り抜くため、この街は新たな挑戦として、2024年から、オーバーツーリズム対策として指定日の日帰り客を対象に『入島税』として1人1日5€(約900円)を導入しました。初年度は観光客の数は減らず、『テーマパーク化』との批判もあり、現在は原則1日10€(約1,800円)に引き上げ、適用期間の延長などさらなる対策に乗り出しています。

効率や安さが正義とされ、どこへ行っても混雑と喧騒が絶えない今の日本。そんな環境に慣れてしまった私たちにとって、「静寂を守るために闘い続ける」というヴェネツィアの決断は、本当の豊かさとは何かを静かに問いかけてくるようです。

(2026/1/16現在1€:184円)

 

 

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