ドバイ旅行記
ドバイの第一印象
アブダビへは片道8車線の幹線道路(途中6車線)、約1時間半その車中でいろいろな感想が浮かんだ。
前回ドバイへ行ったのは2008年10月のことである。その頃は開発が始まったばかりでモノレールができたばかりであった。工事の土ぼこりの中を視察した記憶がある。
世界一高いブルジュ・ハリファ、ギネス世界記録に登録されたドバイ・フレーム、2071年を体感させる未来博物館、海中に突然現れたパーム・ジュメイラ、モールの中にある水族館など、訪れたところはみな、整備されたエアコンと色彩豊かな光に満ちて、多様な人々で満ち溢れていた。
僅か17年、途中リーマンショックや経済の浮沈、コロナ禍もあったにも拘らず、シンガポールを遥かに超える都市集積を果たし世界の人々を呼び込むこのパワーに感心した。
世界各地、戦争で破壊の連鎖が起きているときでも、このように発展しているところもある。平和の有難さを痛切に感じたところでもある。
無税国家論
ドバイがなぜこのような急速な開発・発展ができたのか。私の頭に浮かんだのは松下幸之助氏の「無税国家論」であった。
松下氏は所得税率最高93%の時代に高額納税者のトップであった。
国家は税金を徴収するのはやむを得ないとしても、その10%でも将来への投資として保留し運用していけば、国家はその運用益で国民から税金を徴収しなくとも済む世界がくるであろう。国家の経営もかくあるべし、との主張だったと思う。
ドバイは限られた石油資源・蓄積された資本を基に、国家計画により外部から資本を呼び込み、永続する国家を目指してドバイの開発を始めた。国家がその持てる資本を運用するドバイは、松下幸之助氏の「無税国家論」の実践であり、その見本のように思えたのである。
最重点政策:安全・治安
ドバイは投資を呼び込むためにエスクロー制度を採り入れ、外部からの投資資金を保護し、「お金は安全」であると投資の安全性を政府が保証しているのである。
もう一つ、90%が外国人のドバイでは、出入国時の空港での顔認証システムと街頭カメラを連動させ、治安維持が徹底されているのである。
ビジネス・ハブとしてのドバイ
いま、富裕層向け投資誘致、観光誘致により基盤整備を進めてきているが、いずれは飽和する。シンガポールもそうであったように、ビジネス・ハブとしての機能を満たす時が来るであろう。
足元の中東・アラブ圏諸国、「東」のインド、「西」へはトルコ・東欧諸国、「南」は南アフリカ諸国、「北」はロシア・ロシア衛星国・中央アジア5カ国、などグローバル化する世界経済のハブとして、いずれも数時間でアクセスできる地理的要件がそろっているように見えた。
物流については既にその機能が始まっているとのことである。10年後、20年後これから成長してくる開発途上国の国々に対して、ドバイのビジネス・ハブとしての可能性は高いのではなかろうか。
政治体制
もう一つ考えたのは政治体制の在り方である。民主主義国日本とアラブ首長国連邦(UAE)の比較でもある。統治体制の違いではなく、統治者の権力の使い方の在り方によることを強く感じた。
ドバイと日本のどちらの政治体制が良いかではなく、どちらが政治権力を国家国民のために使っているかによる。
首長国であれ、独裁国家であれ、民主主義国家であれ、政治権力の行使が国民・国家のために正しく使われているかどうかである。
チャーチルは言った。「民主主義は最悪の政治形態である。ただし、これまでに試みられてきた他のすべての政治形態を除けば。」
民主主義も国民の力が強くなりすぎると、民主権力の主体が分散して希薄となり、正当な権力行使ができなくなってしまう。一長一短あることを理解しておこう。
「人口減少」が著しく、日本の最大の危機と言われながら30~50年かかる人口減少対策がなおざりにされている日本の政治に、長期的・基本的な政策決定の能力が失われているのではないか、危機感を抱くのは私だけであろうか。
ドバイにないもの「四季豊かな自然」「阿吽の呼吸でつながる人の温もり」。
日本を世界の宝に。
LR小川会計グループ
代表 小川 湧三

神奈川県川崎市で税理士・社会保険労務士をお探しなら
経営者のパートナーとして中小企業の皆さまをサポートいたします



