世界の「固定資産を流動資産へ」 リバースモーゲージの最新事情

海外通信 NO.123

リバースモーゲージ(自宅資産を担保に融資を受け取る仕組み)は、老後の資金計画において世界的に重要な柱となりつつあります。起源はフランスの「ビアジェ制度」であり、20世紀に入り社会福祉政策の一環として各国で進化を遂げてきました。特に普及が進む主要3カ国の特徴をお伝えします。

❶【アメリカ】

連邦政府が安心を担保!「ノンリコース」で高齢者を強力に保護:

HECM(住宅資産転換融資)は、連邦政府の関与と保証が最大の特徴です。

62歳以上が利用でき、ノンリコースで、将来住宅の売却額が借入残高を下回っても、借り手やその相続人に追加の返済義務が生じません。この安心感が、高齢者層に広く受け入れられる最大の理由です。

❷【イギリス】

多様なニーズに対応!生前贈与にも使われる柔軟な商品設計:

エクイティ・リリースには、主に自宅の所有権の一部または全部を売却する「ライフタイム・モーゲージ(融資型)」と、「ホーム・リバージョン・プラン(売買型)」の2種類があります。

特にライフタイム・モーゲージは、金利が固定され、ノンリコースが保証されている商品が多く、利用者が安心して利用できるよう業界団体による自主規制も進んでいます。

長年にわたり強い持家志向がありましたが、老後資金の補填だけでなく、子や孫への生前贈与や、既存ローンの繰り上げ返済にも使われるなど、自宅資産の活用への関心が高まっています。

❸【オーストラリア】

公的年金制度との調和が焦点!融資額を「控えめに」利用する賢明さ:

主に民間の金融機関が提供しており米英と同様に主に政府機関が担うノンリコースの仕組みを持つ商品が一般的です。

公的年金制度は資産調査に基づくため、リバースモーゲージで受け取った資金を預貯金として保有しすぎると、資産と見なされ公的年金給付額が減額される可能性があります。

このため利用者は、自宅の資産価値すべてを活用するのではなく、将来の金利上昇や長生きリスクに備えて、融資額を控えめに利用する傾向が見られます。

リバースモーゲージは、高齢者の自宅資産を老後のための流動資産に変える有効な手段として、今後も世界的に活用が加速すると予想されます。

また、トラブルを避けるため、専門家による相談窓口が設置されるなど、より使い勝手の良い制度へと整備されてきました。

しかし、各国の制度設計においても、契約者や家族の急な環境の変化や制度への理解不足などによるトラブルが依然として発生しています。

日本においても家族の同意と理解は不可欠ですね。

 

 

 

~ファイナンシャル・プランナーの相談室 Live in Clover~

クローバー通信

クローバー通信は、働く世代の自営業者やサラリーマンとそのご家族の皆さまの応援団として、家計に役立つ情報をお届けしてまいります

ファイナンシャル・プランナーの相談室は、『LR小川会計グループ』が運営しています。

ロングリレーションズ倶楽部

ファイナンシャル・プランナーの相談室 Live in Clover
〒213-0011 川崎市高津区久本3-3-14 エルアールビル ◆ 土・日 祝日休み 予約制
TEL 044(811)1211 FAX 044(811)1212
E-mail fp-clover@lrm.co.jp

お問い合わせ

神奈川県川崎市で税理士・社会保険労務士をお探しなら

LR小川会計グループ

経営者のパートナーとして中小企業の皆さまをサポートいたします

お問い合わせ

 

世界の「固定資産を流動資産へ」 リバースモーゲージの最新事情” に対して1件のコメントがあります。

コメントは受け付けていません。