「独身税」は少子化に効果あり? 日本の「子ども・子育て支援金」との違い
海外通信 NO.122
かつて世界では、少子化対策や人口維持を目的として「独身税」を導入した国があります。
◆東ヨーロッパのブルガリアでは
1968年から1989年にかけて、25歳以上の独身者を対象に、収入の5%から10%を課税する制度が実施されました。その目的は結婚を促し、出生率の向上を図るというものでしたが、導入期間中に出生率はかえって低下したというデータが残されています。
◆旧ソビエト連邦では
1941年からソ連崩壊まで、「子どもを持たない独身者」(25~50歳の男性、20~45歳の女性)を対象に給与から6%を課税する制度が導入されました。戦争による人口減少への対策として導入されましたが、経済状況の悪化や国民の反発もあり、結婚や出産を強力に後押しする効果は限定的でした。
このように、過去の「独身税」は少子化対策として、有効な手段とはなりませんでした。
◆日本では
2026年4月から「子ども・子育て支援金」制度が始まります。この制度は、その仕組みから一部で「独身税」と呼ばれることもありますが、海外の「独身税」とは目的や徴収方法が異なります。
この制度は、「全世代・全経済主体で子育てを支えること」を目的としており、支援金の原資は、年収に応じて健康保険料に上乗せして徴収されます。使いみちは、児童手当やこども誰でも通園制度などの、「子ども・子育て支援法による6つの項目」以外には使うことができない仕組みになっています。
負担対象者:
健康保険、国民健康保険、共済などのすべての加入者で、所得に応じて負担
負担額:
企業と従業員が折半従業員一人の負担額(見込み)は、2026年度で月約250円(所得によって異なる)から始まり、2028年度には月約450円に段階的に増える見込み
負担軽減・免除:
子育て中の家庭や低所得者層
この制度は、子どものいない世帯や独身者の負担が増える仕組みとなるため、俗に「独身税」と呼ばれる要因となっています。
ライフプランの多様化や結婚観が変化している現在、将来誰もが安心して暮らせる社会実現のために、政府の支援策の他に何かできることはないか、考えるきっかけとなりますね。
【参考文献】
こども家庭庁HPhttps://www.cfa.go.jp/top
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