教育訓練休暇給付金制度の新設について

令和7年10月より、新たに「教育訓練休暇給付金」が創設されました。

本制度は、働きながらスキルアップを目指す従業員が無給の教育訓練休暇を取得した際に生活を支援する目的で給付金を支給するものです。

❖制度新設の背景と従来制度の課題

教育訓練休暇給付従来の教育訓練給付制度では、対象となる教育訓練を受講した場合に費用の一部を支給する仕組みでしたが、「仕事と学びの両立支援」には十分とはいえませんでした。特に、長期間の訓練やリスキリングを希望する従業員にとって収入が途絶えることが大きな障壁となっていました。

こうした課題を受け、雇用保険制度の見直しが行われ「教育訓練休暇給付金」が新設されました。これは訓練を目的に取得した無給の休暇期間中に、基本手当※に相当する額を給付することで生活面の不安を軽減し訓練への参加を促す狙いがあります。

❖制度の主なポイント

対象者

雇用保険に5年以上加入している被保険者で、直近2年のうち12カ月以上の被保険者期間がある方

給付内容

基本手当に相当する額を90日、120日、150日間まで3段階で支給します。

対象期間

教育訓練休暇の開始日から1年以内に取得された休暇が対象ですが、妊娠や出産、育児などの理由がある場合は最大4年まで延長可能です。

❖企業に求められる対応

この制度は、従業員の自発的な学び直しを支援する大きなチャンスです。企業にとっても、人的資本の強化、社員の定着率向上といったメリットが期待できます。制度の理解と活用が、企業の人材戦略の一環としてますます重要になります。この機会にぜひ、社内での検討を進めてみてはいかがでしょうか。

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※基本手当とは雇用保険の被保険者が、離職し、失業中の生活を心配しないで新しい仕事探しをするために支給されるものです。

《参考文献》

厚生労働省:雇用保険法の一部を改正する法律(令和6年法律第14号)について

 

 

 

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