キーワードは「経営力」 〜2025年版中小企業白書より

 

2025年版中小企業白書は、円安や物価高の継続、構造的な人手不足など、厳しい環境下にある中小企業が、成長・発展を遂げるためには「経営力」が不可欠だとされています。また、中小企業は地域経済の担い手として、きめ細かなニーズに対応する役割も期待されています。

◉経営力とは

中小企業白書が定義する「経営力」とは、中小企業の成長や持続可能性の向上に寄与し、戦略策定やマネジメント力、従業員の環境整備など、多面的な能力で構成されています。この力を高めることが、業績向上や人材確保に向けて重要である、としています。

◉経営力を高めるには

経営力を高めるには、経営者自身のリスキリング(学び直し)により社内の意識改革や業績向上につなげ、また異業種・広域のネットワークに参加することで、新たな発想の獲得や経営者自身の成長をもたらします。

◉経営計画の策定と実行

変化が激しい時代では、長期的な視野での経営計画の策定と実行が求められます。実際に、経営計画を策定・実行する企業ほど、業績向上につながる傾向が調査で示されています。

◉経営の透明性・開放性を高める

経営の透明性・開放性を高めるため、経営計画などを従業員や外部と共有することが重要です。ある研究では、経営を身近に感じることが従業員にとって中小企業で働く魅力である、とも指摘されています。従業員への経営理念・ビジョンの共有に取り組んでいる企業ほど、売上高の増加につながっているデータもあります。

◉人材確保

中小企業の人材確保は賃上げだけでは不十分で、休暇が取得しやすい職場づくりや時間外労働の削減など働き方改善への取組みにより、風通しの良さや心理的な働きやすい環境を整えることが、人材を確保し定着を促す成功の鍵となります。

以上のことから、「経営力」を高めるとは、個人特性面(他の経営者との交流、学び直しへの取り組み)、戦略策定面(経営計画の策定と実行)、組織人材面(経営理念や業績などを社内で共有し、従業員を大切にする人材経営)といった各観点から分析し、改善に取り組むことであり、そうした活動が企業の成長を促すことにつながると言えます。

 

 

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