郷に入っては郷に従え
移民問題:参政党の提起
7月に行われた参議院選挙で、「外国人問題」が日本憲政史上で初の争点になった。一部外国人の違法行為が社会問題になり、対応の遅れる政府への批判が広がったのだ。
ストックホルムでの記憶
移民問題で思い出されるのは2003年ストックホルムでの思い出。夜、妻と二人で夕食後の散歩がてら市内の夜でも見たいと駅の広場へ行った。人影が少ない中で、約20〜30人ほどであったであろうか、外国人が屯しているのが見え、異様な影にびっくりして大急ぎで宿舎へ戻った記憶がある。
直近の月刊誌・ニュースから
月刊誌では、(月刊「Hanada10月号」)・「THEMIS9月号」。また、フジテレビ「日曜報道THE PRIME」でも外国人問題の特集番組を組んで報道していた。
治安問題のほかに外国人問題のもう一つの視点は「ディアスポラ(在外同胞)」がある。
「もし日本にいる中国の在外同胞が、習近平政権の指示で行動すると、何が起きるでしょうか。」(※1)との問題提起もある。
9月7日付 産経新聞に「作られた移民危機露侵略前兆か」「ベラルーシ・ポーランド国境緊張」という記事が出た。「ベラルーシがロシアのプーチン政権の意を受けて多数の移民を組織的に送り込み、欧州の経済と社会の不安定化を図るハイブリッド戦争の一環だ。」とあった。
台湾有事を控えている日本にとって看過すべき課題ではない。
少子化と矛盾する労働政策
移民の問題は少子高齢化・人口減少と深く関係している。
6月5日付 日本経済新聞の見出しは「出生数初の70万人割れ縮む日本、揺らぐ経済基盤」であった。少子化・人口減少は加速こそすれ一向に増加に転じる気配は見えない。
人口減少による労働力不足を補うために「外国人」をというのであるが、しかし、労働力不足の要因の一つは日本人が働かなくなったことも一つの要因である。
1999年に1335万人であった非正規労働者は2025年には2200万人近くに増加しており、人口減少に加え、労働時間が短縮されているのである。
なぜ日本の平均労働時間は減少したのか。その要因は様々だが、一つの契機は1980年代の貿易摩擦の中で「日本人の働きすぎ」が欧米諸国の間で問題になり、日本政府が1988年の「経済運営計画」にて、年間の労働時間を一人あたり1800時間程度とする目標を定めたことだ。この流れの中で週休2日制が定着し、1992年の時短促進法を経て、1994年には労働基準法の改正により法定労働時間が原則40時間(週あたり)になった。(※2)
私には失われた30年を労働法制も後押ししたと思っている。
移民に頼らない政策を
「移民の安い労働力で潤うのは大企業だ。しかし、働かない移民の生活を支えるのは国の福祉であり、ひいては国民の税金だ。それがドイツですでにここまではっきり見えているのに、それでも日本はさらに積極的に移民を入れるのか?」(※3)
「日本の平均労働時間が1990年代にはアメリカに比べて250時間以上も働いていた。
日本の平均労働時間が1990年以降に急激に減少した結果、現状ではアメリカの方が日本より170時間も多い状況になっている。」
「1990年と同じ平均労働時間で働けば、簡単な計算で「160兆円増」という結果を得ることができる。」
「実は(かつてのように)日本人が本気になれば100兆円以上の富を生み出すことは難しくないのかもしれない。」(※2)と指摘。
人口減少を移民に頼る前に、労働法制を改め安心して働けるよう労働法制を見直してほしいと思う。
郷に入っては郷に従え
川口マーン惠美氏の「移民と難民」に、このような記述があった。
「日本というのは、性善説を疑うことのない柔和な人々が、何となく相手の気持ちを察しながら、ちょっとぐらい嫌なことがあってもいきりたったりせず、阿吽の呼吸で暮らしている、世界でも稀な国なのだ。そんな国民を、私はほかに知らない。だから、それをはっきりと認識して、新参者には、「郷に入れば郷に従え」という鉄則をはっきりと示さなければ、どんどん妥協を強いられ、あとで皆が後悔することになる。日本人も移民も。」(※3 p. 183)
確り(しっかり)した国家観と矜持をもって国民が誇れる国家運営をしていただきたいと思う。
LR小川会計グループ
代表 小川 湧三

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