不動産賃貸業の未来予測
第415回 ロングリレーションズ倶楽部
テーマ:
不動産賃貸業の未来予測
講師:
オラガ総研株式会社 代表取締役
不動産事業プロデューサー
牧野 知弘 氏
今回のロングリレーションズ倶楽部では、今後の不動産賃貸市場における重要なトレンドと変化、不動産賃貸業が直面するであろう未来像について、オラガ総研株式会社 代表取締役の牧野知弘氏にご講演いただきました。
♣地価の状況
コロナ禍での一時的な下落を脱して、全国的に地価は回復基調にあります。
特に、東京・大阪そして札幌や福岡などの地方主要都市で上昇が見られます。
♣マンション価格の高騰
新築マンションの価格は著しく上昇しており、首都圏では2007年比で平均価格が約2倍近くになっています。供給戸数が減少する一方で、坪単価700万円以上の高額物件も好調な売れ行きを見せています。
購入層は、富裕層(地方在住者含む)、相続税対策を目的とする層、国内外の投資家、そして高収入の共働き世帯(パワーカップル)が中心です。
♣富裕層の急拡大と国のカタチ
2013年以降、富裕層の世帯数・資産額ともに増加傾向にあります。起業家や専門職、投資家といった新しいタイプの富裕層も登場し、社会は富裕層、挑戦層(パワーカップルなど)、そしてあきらめ層といった三極化の様相を呈しています。また、日本国内の外国人居住者も増加しています。
♣マーケットに潜むリスク
建設コストの上昇、タワーマンション節税や空室税などへの規制強化の可能性、そして米国商業用不動産市場の低迷といった海外市場からのリスクが指摘されています。
♣金融政策と不動産市場への影響
日本は金利上昇の時代に入りつつあります。金利上昇は期待利回りの上昇を招き、賃料が上昇しなければ物件価格の下落圧力となることも考えられます。
♣多死大量相続時代の到来とエリア間格差
「多死大量相続時代」を迎え、特に都市部で相続件数が増加し、空き家問題も深刻化すると予測されます。
今後は、エリアや街による格差がより鮮明になると考えられます。人口の流動性が高いエリアに賃貸資産を持つこと、そして、他物件との差別化を図ることが、不動産賃貸業成功の鍵となるでしょう。

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