振替納税の始まり

❖日本で最初の振替納税導入は大阪市

振替納税は、金融機関の預貯金口座から自動的に税金が引き落とされる便利な制度です。明治39年(1906年)に創設された郵便振替制度を利用して、明治42年(1909年)5月に、大阪市が日本で最初に振替納税を導入しました。

❖振替納税導入前は窓口での納税に半日かかることも

当時の大阪市の納税取扱窓口は、出張所を合わせても11カ所に過ぎず、1カ所あたりの納税者は10万人を優に超えていました。納税者が納税窓口の混雑で半日も時間を取られることもあり、改善を求める声が出ていました。また、納税者の急増により督促状の発送数が増加し、税務署の手数も大変でした。

そのため、税務署も納税窓口の増設や納税組合の設置など、納税の利便性を高める策を検討していました。最終的に国税当局と大阪市で議論の結果、郵便振替制度を利用した振替納税の導入が決定されました。

❖振替納税導入1年で郵便振替の利用者が6割に

大阪市での振替納税の導入により、市内の取り扱い郵便局99カ所が新たに納税窓口となり、納税の利便性が飛躍的に高まりました。振替納税導入から1年で郵便振替の利用者は6割に達しました。

納税の利便性の向上により期限内収納が高まり、大阪市の滞納件数は大きく減少しました。このことは税務署でも督促状の発送件数の削減等に繋がり、滞納整理事務も大幅に改善されました。

大阪市での成功事例により、振替納税は多くの都市で導入されていきました。

主な都市の振替納税導入年月

 

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