この設備、リース契約でいいですか?

新たな設備を導入するときに、資金をどのように確保するか検討することは避けて通れません。自社の規模にとって、かなり大型の設備投資であれば銀行融資ということになるでしょう。

一方で、それほど大きな設備投資でない場合には、銀行からその系列リース会社でリース契約を勧められるかもしれません。はたして、言われるままにリース契約をするのが良いのか、あくまでも銀行融資をお願いするのか、どちらが良いのでしょうか。

まずはリース契約の中身を見てみましょう。

リース契約期間の支払総額に含まれる主なものとして、リース物件の取得費用とリース期間中の金利相当額があります。その他に保険料や償却資産税、そしてリース会社の利益が含まれています。

この保険料や償却資産税は、本来は消費税がかからないものですが、リースの場合には一旦リース会社が支払ったうえで、リース会社の利益を乗せてから消費税をさらにプラスしてリース料として請求されています。

つまり支払総額という観点からのみ考える場合には、リースを選択することはありません。

では、リース契約を選択する場合とはどういう場合なのでしょうか。代表的なものは複合機(ビジネスプリンター)でしょう。

複合機は購入後の運用に手間が多くかかります。紙詰まりや印刷にムラが出たりした場合にリースであれば、殆どの場合にすぐに修理の手配が完了し、プリンターの不具合で業務が滞ることは最小限で済みます。

これがリースではなく購入した場合には複合機の不具合解消を自社で手配しなければならず、時間と手間を要して業務に支障が出るでしょう。

このように、自社で管理がしにくいもの、管理を任せたほうが効率の良いものである場合にはリース契約が有効です。

また、財務的な理由でオフバランスにしたい場合にもリース契約の効果があります。

リース契約では会計的に資産の取得と対価としての借入負債がありませんので(特定の場合や上場企業を除く)、財務状態を良く見せることができます。

ここまで見てきたように、自己管理の設備であって資金の調達余力がある場合には、銀行借入による購入が良いでしょう。

また、融資の余力を残しておきたい場合にはローンの選択もあるでしょう。

リースは所有権がリース会社にありますが、ローンであれば完済後には所有権も移転し、総コストも抑えられます。購入する資産の種類によって、最適な資金調達の方法を選択したいものです。

 

 

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