マネーストック
マネーストック(Money Stock)とは、一国の経済において、一般法人、個人、地方公共団体などが保有する通貨の総量を示す指標です。
以前は「マネーサプライ(Money Supply)」という名称で呼ばれていましたが、金融商品の多様化や金融機関の変化(例:郵政民営化)に対応するため、統計の対象範囲が見直され、日本銀行は2008年6月に名称を変更しました。
日本銀行が公表しているマネーストック指標は、対象となる金融商品の範囲や預入先となる金融機関等の違いによって、以下の4つの指標から構成されています。
❖ M1:
現金通貨(日本銀行券と貨幣)と預金通貨(要求払預金、当座預金、普通預金など)の合計。最も流動性の高い通貨です。
❖ M2:
M1に準通貨(定期預金、定期積金、外貨預金など)を加えたもの。
❖ M3:
M2にCD(譲渡性預金)と金融機関発行の債券、金融機関からの借入などを加えたもの。
❖ 広義流動性:
M3に投資信託、国債、財投債、社債、CP(コマーシャルペーパー)などを加えたもの。最も広範囲の通貨量を示します。
一般的には、M1、M2、M3がよく使用されます。
マネーストックが増加する主な要因は以下のとおりです。
① 銀行の貸し出し増加:
銀行が企業や個人への貸し出しを増やすと、新たに預金が創造され、マネーストックが増加します。
② 政府の財政支出増加:
政府が公共事業などで支出を増やすと、企業や個人の所得が増加し、預金を通じてマネーストックが増加します。
③ 海外からの資金流入:
海外からの投資や輸出代金の受け取りなどによって、国内に資金が流入すると、マネーストックが増加します。
④ 日本銀行の金融緩和政策:
日本銀行が金融緩和政策(例:量的緩和)を行うと、市場に供給される資金が増加し、マネーストックが増加します。
マネーストックの増減は、景気、物価、金利、為替レートなど経済活動に様々な影響を与えます。
マネーストックは、経済全体の通貨量を把握するための重要な指標です。景気、物価、金利、為替レートなど、様々な経済指標と密接な関係があります。経済動向を分析する際には、マネーストックの動向も考慮に入れることが重要です。

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