少し長い目で考える
予測不可能な時代を生き抜くためには、変化を楽しみ、多くの人とのコミュニケーションをとることが大事ですが、どう行動するか決定するのは個々人です。
一方、昨年このコラムでも紹介しましたが、私達は、将来よりも現在の利益を高く評価し、長い目で見ると損になる非合理な判断をする傾向にあります。
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自分の部署と会社全体の利益のどちらを優先するのか(部分最適と全体最適)、今期の利益か将来の長期利益、どちらを重視するかといった経営に関するテーマを考えると、「全体最適、長期利益の重視」が正解と思われますが、個人の立場や評価を考える、いわゆる自己中心主義立場を取ると、「自己が属する組織(部分最適)、短期利益の優先」が正解になることもあるのではないでしょうか。
これを社会問題に当てはめると、例えば、石油や天然ガスといった化石燃料は有限で、いずれなくなることがわかっていても、それらは生活に欠くことができないもので、有効活用して経済成長につなげることが社会的に望ましいとの判断になるでしょう。
また、各国が協力して、それぞれ得意な分野で分業する自由貿易がもたらす利益は理解していても、紛争が起こった場合のサプライチェーン問題や、自国が貿易赤字になっているのは許せないといった自国第一主義では、自由貿易をストップさせる選択肢もでてきます。
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民主主義では多数意見により政策決定されることが原則ですが、多くの者が短期的・自己中心的な観点のみで判断してしまうと、将来にリスクを先送りし、孫世代やさらにその先の世代に取り返しのつかないリスクを残してしまう可能性が大いにあります。
かといって、今の生活を犠牲にして、将来のことを考える余裕など生まれませんので、肝心なのはどこに重点を置くのかそのバランスだと思います。
私達は1000年先のことを想像することは難しいですが、せめて100年後の世の中について、どのような社会が望ましいのか、そのため今できることは何かといったことを気にかけ、少しでも長期的に合理的な判断ができるよう心がけたいものです。
税理士法人LRパートナーズ
川崎事務所 所長 山下 功起

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