サウジアラビアでスキー?

海外通信 NO.112
サウジアラビアでスキー?

サウジアラビアで2029年にアジア冬季競技大会が開催されます。

2019年までイスラム教以外の外国人の観光のための入国は認められていませんでしたが、石油に依存していた経済からの脱却に向け、未来都市ネオム（NEOM）計画が進められています。NEOMは4つの「地域」で構成されており、NEOMで使用される電力は100％再生可能エネルギーで賄われるなど、環境に配慮した未来都市造りとして注目を集めています。

冬季競技大会の開催地は、その一つトロジェナ地域です。

トロジェナ地域は、タブーク州の山岳地帯にあり面積は約60㎢、アカバ湾から50㎞、標高1500～2600m、年間を通じて摂氏10度以下、冬季は氷点下に達する場所で、5000億ドルの資金が投じられ、2026年に砂漠の都市が完成する予定です。一年中滑ることができる巨大な人工スキー場は、スキーやスノーボードのほか、季節に応じてマウンテンバイク、パラグライダー、ヨガ、音楽フェスにカンファレンスなど、各種アクティビティが楽しめます。

そのほか、人工の淡水湖、ヴィラ、超高級ホテルなどを備え、2045年までに最大900万人の居住が見込まれています。（写真①）
THE LINE地域は、高さ海抜500ｍ（参考：スカイーツリー高さ 634m）、幅200m、全長170㎞（参考：東京～静岡間約180㎞）、という、背が高く細長い都市構想。移動は、車や道路を必要としないベルト状で築かれる計画です。（写真②）

経済面では、世界最大級の資産運用会社ブラックロックが、人口動態の追い風を受ける投資の注目国としており、日本でも2024年10月に日本初のサウジアラビア株価指数連動型ETFが上場したことが話題となっています。

サウジアラビアがどう変わっていくのか見ていきたいと思います。