資産分散の重要性

クローバー通信 No.235

NISA制度が広く浸透し、証券投資を始める人が増えています。

リーマンショック後、2009年2月からコロナ禍で一時的な下げはあったものの、米国株式市場は右肩上がりで上昇してきました。出遅れた日本も2013年初めから上昇し、8,814円の日経平均は4万円近辺まで上昇を続けてきました。

しかし、このまま上昇し続けるかどうかは専門家でも意見が割れるところです。政治的にも波乱要因が多く、急落しても不思議ではありません。

そのような時に、異なる動きをする資産があれば、資産の目減りを抑えることができます。

今回は、資産分散について見ていきましょう。

1 なぜ資産分散が必要か

卵を1つのかごに盛るな

将来を確実に予測する事は誰にもできません。

昨今では、自然災害や紛争など思いもよらない災害が増えています。

リーマンショックのような経済災害が起こらないとも限りません。

特定の資産だけに偏っていると、予想外の市場変動があった場合、資産のほとんどを失ってしまうというリスクがあります。異なる資産を組み合わせることにより、経済や金利の変化に備え、資産の偏りによる一方的な下落リスクを低減する事ができます。

2 現物資産と金融資産

〈現物資産〉

形があり、それ自体に価値のある資産の事を言います。代表的なものは以下の通りです。

不動産:土地、集合住宅、自宅など
貴金属:金・銀・プラチナ・ダイヤモンドなど
コレクション:美術品・アンティークコイン・ワインなど

♡メリット

金融危機にあっても価値が急落しにくい。インフレに強い。不動産の場合は貸し出すことで新たな利益を生みだせる。

♤デメリット

盗難や損傷で価値がなくなることがある。保有し続けることにコストがかかる。貴金属はそのままでは収益を生まない。

〈金融資産〉

そのもの自体に価値はなく、資産として現金化できる資産を言います。
① 現金
② 商品券
③ 預貯金
④ 債券
⑤ 株式
⑥ 投資信託
など

♡メリット

流動性が高い。少額での取引が可能。

♤デメリット

企業や国など発行体の信用力により価格が急落する可能性あり。
リスクが低いと言われる預貯金でも、為替安やインフレで価値が損なわれる事がある。

3 インカムゲインとキャピタルゲイン

インカムゲインとは?

資産を保有していることで得られる収入

長期的に安定した収益を得られることがポイントです。

❖ 国債や高格付けの社債など、信用力の高い債券の利息
❖ 業績が安定し、配当金の支払いが安定して期待できる株式(バリュー株)による配当金
❖ 不動産投資による収入

キャピタルゲインとは?

株式や債券、投資信託などを売却することによって得られる売買差益(譲渡益)

資産価値の上昇が期待できる商品への投資がポイントです。想定する投資期間により投資先や投資手法を選択します。

❖ 短期間なら比較的値動きの大きい商品を安い時に購入し上昇したら売却する
❖ 長期間なら成長性が見込める商品、それらの商品を組み込んだ投資信託や、高い運用成果を目指すアクティブファンド

▼ 注意すべき点

長期投資のリターンは企業の成長や経済成長に伴って伸びていきますが、短期的には、投資家の心理や予期せぬ出来事に大きく左右されることがあります。あらかじめ撤退(損切り)する条件や価格を決めておくなど、損失を最小限に抑えるための工夫が必要です。

 

資産の種類

まとめ

資産配分の割合は、各人の目的、年齢、運用期間、リスク許容度により異なります。すぐ使う資金、不慮の事態に備える資金は一定額を現金・預金で確保しておいた方が良いですし、5年以内に使う資金は目的に合わせて預金・債券などで運用したほうが良いでしょう。

長期に運用できるなら、リスクの高い株式や海外資産・暗号資産など積立投資をすると良いでしょう。

投資は全くしていない場合でも、預貯金の多くは国債で運用されている為、安定志向であっても、海外債券・国内外株式などにも目を向けた方がより良い資産分散となります。

例えば、預金・不動産中心なら国内外の株式を、国内株式中心なら、海外債券やREITなど。直接投資が難しい資産は、対象資産を組み入れた投資信託を活用すると良いでしょう。また資金に余裕があるなら、金や暗号資産も組み入れていきましょう。

経済情勢などにより保有資産の増減があり、年齢やライフプランによってリスク許容度など変化します。定期的な見直しも必要です。昨年分の有価証券の報告書がある場合、一度自分のポートフォリオを作成し、足りない資産の組み替えを検討してはいかがでしょうか?

 

 

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