在職老齢年金制度

老齢厚生年金を受給している60歳以上の方が厚生年金保険に加入しながら働く場合、年金の基本月額(※1)報酬月額相当額(※2)に応じ、受給する年金額の一部または全部が支給停止となる場合があります。この仕組みを「在職老齢年金」といいます。

※1 老齢厚生年金の年額を12で割った額
※2 毎月の給与(標準報酬月額)と1年間の賞与(標準賞与額)を12で割った額

支給停止となる金額

■支給停止となる金額は、「基本月額と報酬月額相当額の合計額が50万円(令和6年金額)を超えた場合に、超えた金額の2分の1の年金が支給停止」となります。逆に、合計額が50万円までの場合は、支給停止はされず年金は全額支給されます。

対象となる年金

■在職老齢年金の対象となる年金は、「老齢厚生年金」および65歳までの特別支給の老齢厚生年金です。老齢基礎年金(国民年金)の部分は支給停止の対象とはなりません。

加給年金額が加算されている場合

また、老齢厚生年金に加給年金額(※3)が加算されている場合は、加給年金額を除いて合計額を計算します。その結果、老齢厚生年金が全額支給停止になると加給年金も全額停止されますが、老齢厚生年金が一部でも支給されれば加給年金額は全額支給されます。

※3 厚生年金保険の被保険者が65歳に達した際等に配偶者や子どもの生計を維持している等一定の要件を満たした場合に加算される年金

70歳になると

■また、70歳になると厚生年金保険の被保険者資格は喪失し、給与からの保険料の控除もなくなります。この場合「被保険者」ではなくなりますが、「被用者」という形で在職老齢年金制度の対象にはなり続けます。

高年齢雇用継続給付を受けている場合

■この他、60歳以上65歳未満の人が高年齢雇用継続給付(※4)を受けている場合は、在職による年金の支給停止に加え、さらに一部が支給停止されます。

※4 雇用保険の加入期間が5年以上あり給与が60歳到達時の75%未満となった場合に支給される

これからの動向

■この在職老齢年金制度に関しては、高齢者の勤労意欲を阻害する等の理由で、基準となる金額の変更や廃止等の議論もされています。今後も、高齢の方の賃金設計やライフプランの設計にあたり、その動向は注視が必要と考えます。

 

 

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