スリランカの奇祭「エサラ・ペラヘラ祭」
海外通信 NO.109
スリランカの奇祭「エサラ・ペラヘラ祭」
ペラヘラ祭りは、タイの水掛祭り「ソンクラーン」や中華圏の旧正月「春節」と並びアジア三大祭りと呼ばれています。
ペラヘラは行列の意味で、エサラ月と呼ばれる毎年7~8月の新月から満月にかけて2週間開催されます。
この祭りは仏歯寺に収められている釈迦様の歯(仏歯)に敬意をはらうことと、大地に雨が降り、豊かな収穫が得られるように神様に願う雨乞いと、両方が組み合わされた祭事です。
祭りの中心となる「仏歯寺」は、スリランカの首都コロンボから車で約3時間。山あいの静かな町、標高465メートルの高地、キャンディにあり、仏歯寺と王宮建築物を含む町全体が「聖地キャンディ」として世界文化遺産に登録されています。
王国の権威の象徴である仏歯は4世紀にインドのカリンガ王国の王が敵国から守るため、スリランカのシンハラ王朝、アヌラーダプラにもたらされたと言われます。その後、仏歯は王都の遷移と共に移動し、仏歯寺はそのたびに王の住居の近くに建てられ、仏歯を祀りました。
祭りは「仏歯寺」から上がる花火の合図でスタートします。鞭打ち、松明を回しながらのアクロバティックな踊り、美しく着飾った伝統舞踊のダンサー、ジャグラー、ミュージシャン、煌びやかな電飾で着飾られた約100頭の象が、キャンディの街を数時間わたり練り歩きます。キャンディ各地を巡行し日を追うごとに規模が大きくなっています。
この行列のクライマックスは、仏歯が収められた黄金の仏塔の形をした舎利容器を載せたゾウの登場で、道端の人々は立ち上がり、頭を垂れて静かに手を合わす様子すべてが荘厳で、敬虔な仏教徒のみではなく、世界中の観光客を魅了しています。
コロナショックをきっかけに、外国人観光客の激減など経済が落ち込み、スリランカは2022年に「国家破産」を宣言しましたが、期間限定のビザ発行手数料の無償化等など観光に力をいれています。「お祭り」にスポットをあてて計画を立てるのも楽しいですね。
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