倒産防止共済の任意解約にはご注意を!

◇中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)とは?

既にご存じの方も多いと思いますが、中小企業倒産防止共済法に基づいて、取引先の企業が倒産した場合に積み立てた掛金総額の10倍の範囲内(最高8千万円)で回収困難な売掛債権等の額以内の共済金の「貸付け」が受けられる共済制度のことです。

加入資格は業種等により異なります。掛金月額は5千円から20万円までの範囲内で自由に設定ができます。掛金総額の積立限度額は800万円です。掛金は増額・減額することが可能で、法人の場合は税法上の損金、個人事業の場合は事業所得の必要経費に算入することができます。

◇令和6年度の税制改正

これまで節税目的で中小企業倒産防止共済に加入していた事業者も多かったのではないでしょうか。

令和6年度税制改正において、令和6年10月1日以後に共済契約を解除し、再度共済契約を締結(再加入)する場合には、解除の日から同日以後2年を経過する日までの間に支出する掛金については損金または必要経費に算入することが出来なくなります。
中小企業庁より「中小企業倒産防止共済制度の不適切な利用への対応」に今回の改正の背景が公表されています。

それによると、平成23年10月に掛金積立限度額を800万円に増額して以降、加入が急増しているのに共済金貸付の発生は減少しています。

また解約手当金の支給率が100%となる加入後3〜4年目での解約が多くなっています。加入者全体の約16%を再加入者が占めており、そのうち2年未満に再加入する者が約8割を占めています。脱退・再加入は積立額の変動により貸付可能額も変動することとなり、連鎖倒産への備えが不安定となるため本来の制度趣旨にそぐわない実態が浮き彫りになります。

これはアンケートで2〜3割の加入者が節税目的で共済加入していることも大きな要因であり、今回の改正の背景にあります。

◇任意解約は慎重に!

今回の改正で解約のタイミングを誤ると、解約手当金は全額益金となり、掛金を支出しても損金算入できない事態になりかねません。

解約される場合は再加入を考慮してご検討ください。

《参考文献》

国税庁HP・中小企業庁HP

 

 

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