コメ不足?
環境の変化が激しい現在、様々なリスクに備える必要があると以前このコラムで申し上げましたが、8月初旬からスーパーでお米がなくなるという事象が発生しました。「令和の米騒動」とマスコミでも取りあげられ、猛暑の影響による不良、地震対策としての備蓄米の増加が影響していると報じられておりますが、原因は判然としないものの棚からなくなったことは事実です。
今回のように大騒ぎになったのは、私達消費者が、日常的な食料はスーパーで買えるのが当たり前と考えていたからですが、そのような食糧事情は、ここ50〜60年のことです。
都会に住む消費者は、コメや野菜の値段が高い、不足といったことには関心が向きますが、コメを作るのにどれくらい手間と費用がかかるのか知っている人は少ないと思います。調べてみますと、コメの小売価格の平均は、60㎏あたり約16千円で、生産費の平均は約15千円と、とても利益が出るとは思えない状態でした(作付面積によって大きなばらつきがあり、大規模に作付けする生産者はある程度利益があるようです)。
従来我が国は多くの人が農業に従事し、食料は自分たちで作ることが常識でしたが、この60年で農業人口は16分の1に減少し、農産物を作る、肉や魚を直に調達することを経験する者が激減しています。地方農協の最重要課題は、どこも農業の「担い手」不足でした。農業は儲からないので若い人が就労しない(できない)ため、その対策として、農業生産法人の結成や、農地の区画整理を推進し、魅力ある産業に改革する努力はしていますが、担い手の減少に歯止めがかからないのが現状です。
食料はスーパーで買えて当たり前という常識を疑うとともに、農業・漁業人口の減少は、自然災害などのリスク同様差し迫ったリスクとして備える必要があります。
消費者である私達は、食料生産(調達)を自分自身の問題として関心を持ち、いざという時に何ができるのか長期的に考えていく必要があると思います。
税理士法人LRパートナーズ
川崎事務所 所長 山下 功起
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