コスモス
秋を代表する花といえば、まず思い浮かぶのは、毎年、暑い夏を乗り越え可憐な姿を見せてくれるコスモスではないでしょうか。街を歩くと公園や野原で風に揺れるピンクや白の花を目にする機会が増えてきました。
もともとコスモスは、メキシコ周辺の高原地帯を原産地とする草花として親しまれ、明治時代に日本へ伝わり、秋に桜の花に似た形の花を咲かせることから「秋桜」とも呼ばれるようになったそうです。最近では休耕田などに観賞用として栽培されるようになり、日本の景観にすっかり溶け込んできています。
開花の時期はちょうど台風シーズンですが、台風でなぎ倒されても翌日には悠然と起き上がり、可憐な姿を見せてくれています。あの細い茎でいつもしなやかに、青空を見上げ立っている姿にはどこかほんのりと郷愁さえ感じさせてくれます。そのコスモスの特徴と言えば、風と一体となって咲き続け、やせた土地でも力強く育つ生命力ではないでしょうか。きっと根は土の中で下へ延びるだけではなく、横へも広がり、しっかりと根を下ろしているからこそ、凛と立って活き活きとしているのだと思います。
歌人の若山牧水は「ながながと折れたるままに先青みわづか擡げてコスモス咲けり」と歌を詠んでいます。
この歌には、コスモスの花は可憐であるも、長い茎が折れかかり倒れても頭を持ち上げるようにして花が咲き、太陽に向かって伸びようとするその生命力や内面の強さを感じさせる歌であるといわれています。
街中でご高齢のボランティアの方々が活き活きと花壇の手入れや街中のゴミ拾いをしている姿を目にすることがあります。
いくつになられても、小さなことでも「人様の役に立つ」「感謝される」ことを自然体で楽しく活動されるその前向きな気持ちには、ただただ頭が下がる思いがします。
私たちも絶えず移り変わる時代の中で、向上心を忘れずに様々な経験と反省を肥やしに豊かな土壌づくりに励んでいきたいと考えております。風に揺れるコスモスのように、足元はしっかりと根を張ってお役に立てますよう努めて参りたいと思っております。
税理士法人LRパートナーズ
代表社員 所長 小関 和夫

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