地球時間と人間時間
この原稿が掲載される9月初旬といえば、熱く盛り上がったスポーツの季節からそろそろ秋の気配を感じる頃ですが、おそらくまだまだ暑い日が続いていることと思います。
熱い日が多くなり、異常気象と言われ続けて何年経つのでしょうか。日本だけでなく世界各地で異常気象が続き、大規模な山火事、大雨、洪水、異常なハリケーン等々地球全体に気候変動が起こっていることを全世界の人々が実感し、地球温暖化対策は、国連を中心に多くの専門家が共同で研究に取り組み、地球規模での対策を訴えています。
地球には本来「地球力」というものがあり、それを超えてしまえば生物の存在が危ぶまれるのではと漠然と思っていたのですが、最近、地球上で起こる様々な変動は、大気、海洋、生物圏、地殻及びマントル等が複雑に絡み合って相互作用としての結果生じていると考える「地球システム学」という学問の存在を知り、興味を持ちました。
地球変動の時間は何万年という時間軸(地震の原因でもあるプレート変動は100年単位)で起こり、地球温暖化は、数億年かけて生物の死骸が地熱や地圧の影響を受けて変化した化石燃料を、人間が産業革命以降僅か200年余りで燃やした結果発生した二酸化炭素の増加と、森林破壊等による二酸化炭素吸収量の減少が原因です。
原因がはっきりしているにも関わらずなかなか対策が進まないのは、地球時間と人間時間のレベルが全く異なるためで、我々は100年先のことより、明日の生活のことを優先して考えます。後世の人が苦労しないためにも、人間時間で一人ひとりが今できる温暖化対策を実行することは当然ですが、それだけで問題が解決すると錯覚することなく、人間の存在そのものが莫大なエネルギーを消費していることを自覚する必要があります。
地球時間の長期的な観点から200〜300年後の地球温暖化を止めるためには、経済成長を前提としない社会価値観を創設して、暮らしそのものを見直すべき時が来るかもしれません。
税理士法人LRパートナーズ
川崎事務所 所長 山下 功起

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