リスクを取れる社会に
4月に経済産業省の経済産業政策新機軸部会で「失われた30年の状態が継続すると、当面社会の安定は保たれるものの、やがて新興国に追いつかれ、世界と勝負できなくなる」との発表があり、さらに、2023年版のIMD「世界競争力ランキング」によれば、かつて1位だった日本の競争力は35位と過去最低を更新したそうです。
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最近「組織力の強い会社」や「イノベーションの高い会社」をネット検索してみると、ヒットする日本の会社が非常に少なくなったことに改めて気付きました。
この30年間、日本の社会全体がリスクを取って新しいことに挑戦することに消極的だったことは間違いないと思います(私自身も、起業を考えながら、公務員を定年まで勤めてしまいました)。
停滞から脱するには「国内投資の拡大とイノベーションが重要で、新たな産業を興すことが大事」と様々な提言が行われていますが、新たな産業がそう簡単に興せるものではありません。
まずは、日本がリスクをとって、新しいことにチャレンジしやすい社会(失敗が挽回できる社会)となり、Z世代が気軽に起業できる環境の醸成が重要だと思います。
ところで、Z世代の仕事に関する考え方は変化してきたのでしょうか。
「年功序列や終身雇用制度が当然」と考える者は少ないと思いますが、「学生の就職希望ランキング」なるものを見ると、業種や企業名は毎年異なるものの、比較的大企業に人気が集中しています。
一方、「自分のやりたいことをやりたい」、「組織に縛られたくない」と考え、起業する若者も増加傾向にあるとの報道もあり、まさに、多種多様性の価値観を有しています。
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いずれにしても、Z世代がリスクを取り、起業しやすい環境の醸成、例えば、相談や教育も含めた支援制度、セーフティーネットの充実が必要です。
政府・行政・教育現場等で対策は講じていますが、先輩世代である私達個人も、それぞれの立場で何ができるのか考えていく必要があると思います。
税理士法人LRパートナーズ
川崎事務所 所長 山下 功起

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