オーストラリアの奨学金事情


海外通信 NO.105
オーストラリアの奨学金事情

今回は、オーストラリアの「学位税」とも呼ばれる、HECS-HELP制度をご紹介します。

大学の授業料が無償であったオーストラリアは、1989年に授業料が有償化されました。学生の授業料負担の緩和策としてHECS(ヘックス)制度が導入されました。

この制度は2005年の改正で、HELP制度というより幅広い支援制度の一環として位置付けられ、細かい制度改正を行いながら運用されています。高等教育費は本人が負担するという考えが一般的なこと、収入の増減幅が少ないこと、国立大学が私立大学より多いことから、国民に支持されています。

HECS制度は、教育機関が指定されており、政府支援枠に応募すると成績順で枠が埋まる仕組みで、授業料は政府と学生本人がそれぞれ負担します。在学中は授業料を納める必要がなく、卒業後に収入が安定すると所得金額をもとにした返還割合(0~10%)により月々の返済額が決まり、給与等の所得から源泉徴収される仕組みです。対象の要件に親や世帯の収入や資産要件はなく、制度利用はあくまでも学生本人が主体となります。

日本では、「異次元緩和の少子化対策」により「児童手当」「大学等の授業料・入学金の減免」など、2025年度から拡充されます。その中の「大学授業料・入学金の無償化支援」については要件が緩和されたものの、「扶養される子どもが3人以上いる多子世帯が対象となる」など、奨学金を含めて公的支援を受けるためには、世帯の資産や収入について評価基準が設けられていることが多く、学生本人だけでプランを立てる訳にはいきません。

高校での金融教育が始まり、学生自身が進学に掛かる費用を知るきっかけとなっています。教育費の負担について様々な考え方がありますが、まずはやりたい事のために、どのような手段があるのか、ぜひ家族で将来のこと、教育費のことを話す機会を作りましょう。

 

 

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