行動経済学に関心を②
私達は不合理な意思決定をしがちだということですが、例えば次のようなことに思い当たりませんか。

①行列の長いラーメン屋はうまいと思う
②お気に入りのバッグは売りたくない
③デジタル化すれば仕事は効率的になるけど、やり方を変えるのは不安
④松竹梅のうな重のうち何故か竹を選ぶ
⑤「今だけ50%引き」の文句に惹かれて何となく注文してしまう
⑥会費を支払った会員制スーパーは、多少遠くても利用しないと損だと感じる
これらは行動経済学で説明されています。
①バンドワゴン効果
多くの人と同じような行動をとることで生まれる安心感。店員から「よく売れています」のコトバに、安心して買っていませんか。
②保有効果(授かり効果)
自分の所有物に高い価値を感じ、手放したくないと感じる心理。「無料でお試し」、「〇〇日返品保証」は、とにかく一度手にしてもらうための仕掛けです。
③現状維持バイアス
現在のやり方を変えることに何となくリスクや不安を感じ、「このままでいい」と考え、改善に踏み切れなかったことはありませんか。
④松竹梅の法則(極端回避性)
私達は極端な選択は避ける傾向があり、高いものは贅沢、安いものは不安と真ん中を選びがちです。売る側は、利益率の高い商品を敢えて真ん中で表示する戦略をとります。
⑤アンカリング効果
事前に金額を知らされた場合、その金額を基準に高いか安いかを判断する傾向にあります。「今なら◯%引き」と書いてあると、安く感じ買ってしまうことはありませんか。
⑥サンクコスト効果(埋没コスト)
これまで使ったお金や時間をなんとか取り戻そうとする心理。会費を支払ったのだから利用しないと損と思わせて来店を促す。音楽配信を3カ月間無料にして習慣づけ有料化後の契約を狙う戦略が取られています。
このように、ビジネス界では行動経済学に注目して、私達消費者の購買行動を自然に高めることを研究し実践していますが、「なるほどそういうことか」と理解することにより、無駄な出費を避けたり、逆に商売に役立てたりすることができるかもしれませんね。
税理士法人LRパートナーズ
川崎事務所 所長 山下 功起

神奈川県川崎市で税理士・社会保険労務士をお探しなら
経営者のパートナーとして中小企業の皆さまをサポートします