少額短期保険
クローバー通信 No.193

今回は少額短期保険を取り上げます。
ペット保険や空港で入る海外旅行保険など目にした事はありませんか?
従来の保険と何が違うのか、どんな商品があるのか、どう活用すると良いのかなど取り上げていきます。
1 少額短期保険とは?

少額短期保険会社は、生命保険会社・損害保険会社に続いて発足した第三の保険会社で、保険金額が「少額」で、保険期間が「短期」の保険のみ取扱い、リーズナブルでシンプルな保障(補償)や、特定の出来事に対する保障(補償)など、様々な種類を取り扱っており、ミニ保険とも呼ばれています。
生命保険・損害保険との違い
一般の保険会社は、免許制で最低資本金が10億円であるのに対し、少額短期保険業者は、財務省への登録制で最低資本金も1,000万円となっています。どちらも保険業法の規制の対象となっていますが、少額短期保険は、保険契約者保護機構の制度の対象になっておらず、破綻した場合の契約者への補償はされません。その他、生存給付金や個人年金保険のように生きている限り受け取れる保険、積立型の保険や満期返戻金がある保険も取り扱いできません。
2 少額短期保険の特徴
特徴

⒈ 保険金額が1,000万円以内である
⒉ 保険期間が1年または2年以内である
⒊ 人の生存を条件にした契約はできない
⒋ 財務省に登録した少額短期保険事業者が販売できる
♥ メリット

・ 通常の保険商品ではカバーできないようなリスクに対して、低価格で備えることができる
・ 契約者の細かな要望に特化した保険商品がある
・ 短期間の補償に対応できる
・ 加入済みの保険で足りない部分を補填できる
♠︎ デメリット

・ 保険金額の上限が低く、得られる保障(補償)が少ない
・ 保険期間が短い
・ 保険会社が破綻した場合の契約者補償がない
・ 保険料は生命保険料控除の対象外
3 少額短期保険ならではの特徴のある保険
ペットの病気やけがに備える
・ペット保険
ペットの通院・入院・手術費用を補償
免責金額・治療回数制限の有無などにより保険料が決まる
イベントのキャンセルに備える
・旅行キャンセル費用補償保険
・結婚式総合保険
本人や家族のケガや病気、災害などでキャンセルした場合に発生する取消料などの費用を補償
スマホ・PCのトラブルに備える
・スマホ・モバイル保険
破損・水濡れ・故障・盗難など修理費用等を補償する
1契約でPCやWiFiルーターなど複数台対象となる商品もあり、キャリア保証の代わりに加入しても良い
終活・葬儀費用に備える
・葬儀保険
自分や家族の葬儀にかかる費用を補填する目的
医師の診断書は不要で簡単な告知のみ、新規でも80歳超まで申込・更新が可能
レジャー等に備える
・ゴルフ傷害保険
・スキー・スノーボード傷害保険
・レスキュー費用保険
ケガや他人への賠償責任、遭難時の救援費用などに対し、必要な日数分だけ備える事ができる
万が一のトラブルに備える
・弁護士保険
日常生活での法律トラブルの際に、弁護士費用を補償する
子どものいじめ、近隣とのトラブル、ネット被害、パワハラなどにも対応
4 基本的な保障(補償)にプラス
人の保障
一般保険では加入が制限される保障に備える
・入院保障付き死亡保険
・医療保険・がん保険
簡単な告知で、持病があっても入れるなど、商品ごとに特徴がある
ガン・糖尿病・障がいの場合や、分娩の入院保障、不妊治療中の医療保障など
今ある保障への上乗せ
・介護費用保険
公的介護保険だけでは不安な場合、一定の要介護状態になった時に一時金を受取る
モノの補償
災害・盗難などに備える
・地震費用保険
・家財保険
火災保険では補償されない地震などによる損害や、家財の盗難や破損に対応
乗り物災害に備える
•自転車保険
•バイク費用保険
自転車事故によるケガや賠償、車両の破損・バイクの盗難などを補償
◆ 1年ごとに更新できますが、長期契約では割高になる場合があります。長期的な計画の場合には、一般の生命保険・損害保険を見直しましょう。
5 注意! 保険金額の上限
少額短期保険はその補償ごとに下記のように保険金額の上限が設定されています。

1人の被保険者(保険対象者)について
少額短期保険すべての保険金額の合計は、1,000万円が上限となっています。仮に保険契約の重複があった場合は、保険金が減額または対象外となるので注意しましょう。
まとめ
従来の保険商品にはないターゲットを絞った様々な保険商品が登場しています。商品により特徴があるので、加入の目的や期間を明確にし、複数商品を比較してみましょう。また、短期間の移住の際に家財保険を利用するなど、計画が流動的で期間の見通しがたたない場合に利用するのも良いでしょう。
生命保険は、保障が足りなければ預金でカバーできますが、損害保険は、特に高額になりがちな損害賠償など預金でカバーできない補償への備えが一番の目的です。今ある保険との重複は避けながら、補償はしっかり用意しておきましょう。
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