第34回 テレワークの具体的導入準備テレワーク導入準備編①

情報セキュリティ連載
テレワークの具体的導入準備テレワーク導入準備編①

テレワーク

前回より収束の見えない新型コロナや、加速する労働人口減少の対策としてテレワークの導入についてふれさせていただいていますので、今回はテレワークを行う上で、重要な項目である紙の書類のデジタル化についてスポットを当てます。

テレワーク化についての様々な調査から、「業務に使用する資料のペーパーレス化ができない」ことがテレワーク化できない原因として挙げられています。

1 紙の電子化は様々な外的要因で迫られている

ペーパーレス化の重要性はテレワークに必要だけでなく下記の2点からも、重要となります。

① 消費税のインボイス制度開始により請求書等の書類を電子化する必要が出てくる

消費税は2023年インボイス制度へ移行されます。これに伴い各事業者は電子インボイスという電子データを保存する必要がでてきます。

それに伴い業務上、電子データで処理が必要な取引関係の書類が多くなります。紙と電子データが併存し業務負担が大きくなることが予想されます。

② 2025年生産労働人口の減少、介護離職対策としても有効

2025年から加速する労働人口減少対策や、増加する介護離職対策としても電子化資料を運用できる環境を作ることが有効です。資料を電子化させることで物理的に離れた遠方地でも作業することが可能になります。ニーズが高まっているランサーズやビズアシなどのクラウドソーシング事業者へ業務を外注することも可能になります。

また、今後介護離職する人口も増えるため、出勤が厳しい従業員でも家からテレワークをすることができるようになり、離職率を下げる効果が期待できます。

2 電子化の具体的方法

では、紙主体で行われている業務を電子化された環境にするにはどうしたらいいでしょうか。

① 紙の書類に書き込みや印鑑、付箋等の処理を電子でできる環境を作る

紙の書類を業務で使える電子化された資料にするためには、電子化資料の編集加工ができることが必要となります。当社ではドキュワークスというソフトを使用しています。

このドキュワークスは、電子化した書類に直接文字を入力したり、印鑑や付箋をはることができるソフトです。文章内の文字データもOCR処理をかけることで、検索しやすくします。

文章もOCR処理をかけることで、文章内の文字検索ができ、探している書類を比較的容易に探すこともできます。

② クラウドサービス上にドキュワークスデータを保存する環境を作る

データの保存はクラウドサービスを使用し社外から編集した電子データをリアルタイムで社内または別の遠方地の社員が利用できる状況にします。当社ではGoogleドライブを使用しています。

電子化された資料はクラウドサービスを併用することで誤って削除や上書き更新をしても元に戻せます。この点は紙資料よりも優れています。

③ 電子化された資料を使って業務フローを策定し、遂行チームを作る

紙を基本とした業務と電子化された資料の業務は全く異なると考えていいと思います。

まず、第一に紙資料を電子化する業務が入ってきます。

この電子化作業がテレワーク作業の中で一番重要になります。

例えば、資料を電子化しても画像が悪いとその後の作業がしにくくなりますし、OCR化しても、文字認識は低く検索してもヒットしないので、全体の業務効率を下げてしまいます。

したがって、電子化された資料で作業する社員が作業しやすいものを電子化しなければならないので、業務フローで一番重点を置くべきところでしょう。

システム担当者が作り上げたものをテレワークを導入する部署が使うという方式ではうまくいきません。

テレワークを行うチームを作りそのチームがメインとなって、それにシステム担当者が協力する形でテレワークのフローを作っていくことが重要となります。

そのため、テレワークを遂行するチームが、ドキュワークスや、クラウドサービス機能を熟知していることが成功するポイントとなります。

今回は在宅ワークを行うために必要なツールの紹介と業務フローを作成する上での注意点に触れました。

次回からは、ツールの具体的な使用例とツールを利用しての業務フローの策定について触れていきます。

 

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