解説:投資信託 バランス型とは?
クローバー通信 No.175
解説投資信託バランス型とは?
貯蓄から投資への流れは、少しずつ広がってきています。
iDeCo(確定拠出年金個人型)・つみたてNISAなど、長期の資産形成を目的とした非課税制度も整備され、投資環境が整ってきました。
今回は、投資信託のしくみと、投資信託初心者が銀行や証券会社でお勧めされやすいバランス型ファンドについてお話していきます。
1 投資信託の仕組み

投資信託(ファンド)は、たくさんの投資家から集めた資金を、第三者である専門家がその資金を運用・管理し、その運用による利益を拠出割合に応じて投資家に還元する仕組みです。
ファンドマネージャーが戦略的に運用するアクティブファンドと、様々な指標に連動するよう設計されたパッシブ(インデックス)ファンドがあります。個人では直接投資が難しい市場へ投資できるので、自分が保有していない資産を補う手段として有効です。
2 投資信託のメリット・デメリット
♥メリット
① 少額から手軽に投資できる:多くの場合1万円から、積立なら1,000円単位で手軽に始める事ができます。
② 分散投資できる:個人では難しい海外への投資ができ、資産を分散させる事ができます。
③ プロが運用してくれる:情報収集・調査などのプロセスをプロが代行してくれます。
♠︎デメリット
① コストが高い:プロに任せる分コストがかかります。
② 元本割れのリスクがある:投資対象の価格変動によって投資信託の価値も上下します。
③ 投資対象やリスクの把握が難しい:個別投資と違い、商品によっては投資先が多岐にわたり複雑です。
3 主な投資対象
金融商品の収益の源泉
⒈ 利子や配当から得られるインカム・ゲイン
⒉ 元本の値上がりによって得られるキャピタル・ゲイン
⒊ 円高・円安による影響で生じる為替差益

積立で長期にわたり投資しようとする場合、成長する市場への投資が鍵となります。「海外=リスクが高くて危険」ではなく、これから発展していく新興国を含む海外株式を資産の一部に取り入れてはいかがでしょうか?
4 バランス型投資信託とは?
バランス型投資信託の定義
複数の資産に投資をする投資信託のことです。一種類の投資対象ではなく、基本となる株式や債券の他、REIT・金・通貨などの資産や、投資エリアを各国複数に分散するタイプもあります。
♥メリット
① 1つの商品で分散投資ができる
② 複数の資産を持つ事でリスクが低減される
③ 自動的にリバランスを実行してくれる
♠︎デメリット
① 商品の内容がわかりにくい
② リスクがわかりにくい
③ 個別資産の把握が難しい
リバランスとは?
定期的にその資産配分の比率を当初の計画どおりに修正すること。値上がりした資産の利益確定と割安な資産への投資が行われる。
似たような商品名でも、資産の割合はその商品によって様々です。[債券90%+株式10%][債券10%+株式90%]どちらもバランス型に分類されます。目的に合わせて、商品内容(目論見書)をしっかりチェックしましょう。
バランス型の分類
投資信託の格付け評価最大手の「モーニングスター社」の分類では、株式・REIT(不動産投資信託)の割合により右表の様に定義されています。

5 どのように保有するか
目的は何か?いつ必要とする資金か?
分配金が目的の場合
年金の不足分を補う、固定資産税分に充てるなど
海外債券や、高配当株式の割合が高い商品がお勧めです。
分配金は、預貯金の利息と異なり、ファンドの純資産総額から支払われます。そのため、分配金を支払うと、その金額相当分の純資産残高は減少するため、基準価額が下落します。
特に毎月分配型は元本を取り崩す割合が多くなります。配当金の受取額とトータルで損益を考えましょう。
資産形成が目的の場合
10年以内に使う教育資金・住宅資金など
基本は債券型で準備しましょう。時期が未確定で一定期間運用できるなら、目標額の一部を株式で運用しては?
10年以降に使う大学入学資金、老後資金など
株式比率を高めに積極的に運用しても、運用期間が長ければ元本割れのリスクは少なくなり、利回りも安定してきます。
年1回決算、分配金再投資を選ぶと、より効率的に資産形成できます。
まとめ
バランス型は、複数の資産に分散される為リスクは低減できますが、個別資産の運用状況の把握が難しくなります。
一方、国内株式・海外株式・海外債券など複数のファンドを個別に持つと、同様に資産分散になり、資金が必要な時、相場が上がった時に、利益が出ている資産から売却するといった手法を取ることができます。
マイナスになる可能性を考えるとつい安定型を選びがちですが、定期預金などをしっかり確保すれば、日本債券の割合を多くする必要はなく、株式型や海外債券などの投資信託を保有する事で資産の分散になります。
まずは目的と運用期間を決め、自分の他の資産とのバランスを考えながら、商品を選んでいきましょう。
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