〈少子化社会〉気になること

衝撃!川崎・登戸の事件

会長

51歳の男が川崎市多摩区でスクールバスを待つ私立カリタス小学校の児童ら20人を殺傷し、その直後に自殺する衝撃的な事件に続いて、元農林水産省事務次官が44歳の息子を刺殺する事件が起きた。

おりしも内閣府が3月29日に40〜64歳の引き籠りが全国で推計61万3千人いると発表したばかりであった。

乳幼児の虐待報道も相次いでいる。

東京都目黒区と千葉県野田市で父親から暴力を受けて死亡した女児もしつけ名目で体罰を受けていた。

5日に札幌市で衰弱死した池田詩梨ちゃん(2)は、母親とその交際相手から虐待を受けていた疑いが伝えられている。池田詩梨ちゃんが在籍した保育園の元園長は母親を「育て方をしらない幼いお母さん」と評した、と報じられていた。

人生100年時代の歪

人生100年といわれるようになってからそう時間がたっているわけではない。私は長寿社会の到来は誰もが喜ぶべきことであると思っている。しかし、現状を見ると人生100年時代の裏側に潜む歪みが表面化しているように思えるのである。なぜこのような歪みが生じたのか私なりに考えてみた。

厚生省が6月7日に人口動態統計の平成30年の結果を発表した。それによると結婚の平均年齢は男性31.1歳、女性29.4歳、第一子出生時の母の平均年齢は30.7歳である。

下図は私がなんとなく不安を感じてから作り出した図表である。人間の生物としての生殖期間(赤)はほとんど変わらないのに人間の社会的環境が変わったために、本来生物としての生殖期間の一部が特に女性の社会的適応期(ベージュ)が伸びて晩婚化が進んだ結果、生物的な生殖期間が短くなって少子化が表面化してきたと考えるようになった。

さらに、女性の社会的進出と晩婚化が進んだ結果として「母性の劣化」や子育て環境が変わったために、冒頭のような「子供の劣化」及び不登校や成人してからの「大人の引き籠り」へ波及しているのではないかと思うようになった。

もう一つ高度成長期から顕著になった住居のマンション化がすすみ世帯単位が祖父母を含む三世代の家族単位から親子単位の二世代の家庭単位に小さくなったことも大きな要因と思われる。

進行する三重の社会的劣化

批判を受けることを承知で云えば現在の女性の社会的進出は晩婚化をもたらし、この晩婚化は意識しているといないとにかかわらず、結果として三重の社会的劣化を引き起こしているように見える。

それは「母性の劣化」「子育て環境の劣化」である。晩婚化からくる直接の影響の第一は少子化であり、第二は「母性の劣化」「子育て環境の劣化」からくる幼児虐待や子供の不登校や大人の引き籠りに象徴されるような「次世代(子供たち)の劣化」である。第三は子育て後の女性の社会的参加や経済活動への参加が不十分(下図のオレンジ部分)ではなかろうか。

急速な長寿化社会の到来によって、人生60年時代の慣行や習慣をそのまま引きずって生物としての人間側が適応できないまま方向性を見失って戸惑っている感じがする。

人生100年時代

本当の長寿社会とは

人生100年時代といわれているが現在のような歪みのある社会では困るのである。中国の古典、桃花源記の中に記されているような桃源郷「戦乱を避けて移り住んだ人たちが数百年にわたって平和に暮らしていた別天地」楽園へ近づきたいと願うのは夢であろうか。

人口減少社会を変えるにはどうしたらよいのであろうか。

ドイツのヒトラー時代には少子化対策、ニート対策として「結婚資金貸付法」を制定し、結婚すると1,000マルクを貸付、子供が1人生まれると4分の1を免除され、4人生まれると全額が返済免除された。この結果、1932年には51万件だった結婚数が、1933年には63万件に、1934年には73万件に増加し出生数は20%もあがった。(※)

ヒトラーの例を出したのは不適切かもしれないが、女性が子育て後の20〜30年にわたってフルパワーを発揮できる社会が理想的な社会であると思われる。

(※)出典/『ヒトラーの経済政策』武田知弘著祥伝社

税理士法人LRパートナーズ
代表社員 小川 湧三

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