親の介護や最期にあなたはどう備えますか?

クローバー通信 No.160

介護親の介護や最期にあなたはどう備えますか?

前回は自分がセカンドライフをどう過ごしていくかをテーマに取り上げましたが、今回は親に焦点をあて、親の生活にどう関わるか、介護や最期にどう備えるかを見ていきましょう。

1.介護の実態

要介護認定者647.1万人のうち、80歳以上が72.6%、日常的にケアが必要になる要介護2以上は約52%となっています。要介護になった主な原因では、認知症が18%で最も多く、脳卒中16.6%、高齢による衰弱13.3%・骨折転倒12.1%、関節疾患10.2%となっています。

※厚生労働省「介護給付費など実態調査月報(H29年4月審査分)」「H28年国民生活基礎調査の概況」より

介護保険の自己負担平均額

月額:79,000円(※公的介護保険サービスの自己負担額を含む)
住宅改造や介護用ベッドの購入など一時的な費用:平均80万円
※生命保険文化センター「H27年度生命保険に関する全国実態調査」より

在宅月額・施設月額

2.【親の介護】何をしてあげたいですか?

50代は親の介護に直面する年代です。親の介護に向き合う際に、全部抱えてしまい自分自身が倒れてしまわないために、体のケア心のケアお金のケアを分けて考えましょう。

親自身ができること、自分(子)にできることは何か、できない部分をどう補うのか?方針を決めて仕組みを作ることが大事です。

①体のケア:介護保険によるヘルパー・デイサービスなどを利用

介護のプロたちに助けてもらいましょう。
できるだけ自分でお世話するのか、費用はかかるけれどサービスをお願いするのか、要介護度や生活スタイルに合わせて、ケアマネージャーにプランを組んで貰います。

②心のケア:電話、訪問、旅行など、コミュニケーションを図る

介護が必要になると、外出の機会が減り、人とコミュニケーションをとる機会が少なくなります。言葉が出にくくなり、認知症が進んでしまう事もあります。昔話や他愛のない話をするだけでも良いので、定期的に訪問したり、電話をしてコミュニケーションを図りましょう。

ふるさと納税でこんなサービスも!

ふるさと納税の返戻品として、仕事や家庭の事情で帰省できない人に代わって墓掃除や空き家管理を担う自治体があります。該当するか検索してみては?

墓地清掃代行(93件)空き家管理・見守り(298件)高齢者見守り・傾聴(2件)

※「ふるさとチョイス」2018年9月時点での登録件数

③お金のケア

親の介護は親のお金で賄うのが原則です。介護期間は心身の状態により様々ですが、20年を超えることもあります。本人の希望通りのケアができるのか、どこまで手助けできるのか、負担が少ない方法を考えましょう。

親自身が医療費控除や生命保険料控除などが適用できる場合でも、確定申告をしなければ還付はされません。書類準備や提出など手助けすることで、今後について話すきっかけになるかもしれませんね。

親への仕送りや子が社会保険料を負担した場合は、子が所得控除(扶養控除・社会保険料控除)の対象となります。

3.親の葬儀やお墓をどうする?

❖お葬式はどうしますか?

①宗教・宗派は?
②地域の慣習は?
③葬儀方法・規模は?
④近隣の葬儀社・費用は?
⑤交友関係と連絡方法は?

最近では家族葬も増えています。親しい親族だけでお見送りできる反面、葬儀後にお悔やみへの対応が大変だったという声もあります。

多く利用される互助会制度では、子の名義で加入していると親の葬儀でも自分が喪主の場合は利用できる反面、プランが決められて選択肢が少ない、積立金以上の支出をする場合が多いなどのデメリットがあります。

家族・兄弟でコミュニケーションは取れていますか?家族

気が動転している時に短時間で決めるのは大変なことです。もちろん親御さん自身の意思が一番で、日頃から話ができればよいですが、直接話ができなくても、親戚や知人・インターネットから情報を収集するなど、準備できることはあります。

❖お墓はどうしますか?

①今後誰が引き継ぐのか?②維持・管理コストは?

すでにお墓がある場合でも、新たにお墓を購入する場合でも、決めなければならないポイントです。

また、一般的なお墓の他、ペットと一緒に入れるお墓、引き継ぐ人がいなくても永代的に供養してもらえる永代供養墓、樹木葬、スマートフォンでメッセージが流れるスマ墓など、様々な形が出てきています。

葬儀やお墓の費用

※H28年日本消費者協会「第11回葬儀についてのアンケート調査」より

お墓〔葬儀費用〕

全国平均196万円
葬儀一式121.4万円
寺院への費用47.3万円
通夜からの飲食接待費30.6万円

〔お墓の平均購入価格〕

167.3万円
100万円~200万円が46.6%を占める

現金で用意できれば良いですが、金融機関が死亡の事実を知った時点で口座は凍結してしまいます。

その点、死亡保険に加入していれば、受取人が請求すればすぐに保険金を受け取ることができます。

まとめ

考えたくないことですが、いつかはやってくる問題です。その時が来たら、待ったなしで様々な手配や手続きをしなければなりません。また、親だけではなく、おじ・おばや兄弟の介護を担うケースがますます増えてくるでしょう。

元気なうちから、知人や著名人の介護や最期に関するニュースが出た際に、気軽に話題に取り上げ、その内容や費用を調べておくと良いですね。

終活・断捨離という言葉には抵抗があるなら、日々の家計管理・整理整頓の声かけやお手伝いをしましょう。

やはり大事なのはコミュニケーションですね。

 

 

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