最近は「下町ロケット」「陸王」など中小企業を題材にしたドラマがヒットしています。今回ご紹介する「町工場の娘」(諏訪貴子著)も昨年NHKでドラマ化された一冊です。

内容は町工場を営む社長の次女が父の急逝により専業主婦から急遽2代目社長として事業を引き継ぎ、悪戦苦闘しながらも社内改革に取り組んでいくという著者ご本人の実体験によるお話です。ちなみに諏訪貴子社長は日経WOMAN「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2013」大賞〈リーダー部門〉を受賞しています。

ドラマを最初に見てから原作本を読んだので ”ドラマを面白くするためにそれなりの脚色をしているのだろう” と思いながら本を手に取りました。しかし実際には原作(実体験)のエピソードがかなり忠実に再現されており読み物としてだけでなく、経営指南書としても参考になる内容でした。この中には製造業以外の中小企業でも社内改革を進めていく上で参考になるヒントがたくさん散りばめられています。

諏訪社長は自動車メーカーでの勤務経験がわずか2年、2代目でかつ製造業には珍しい女性社長ということで、就任当初は社内、社外問わず周りからの風当たりも強かったようです。長く業績低迷している企業をそうしたハンデの中で引き継いだ諏訪社長は、カリスマ性のあった父とは反対に現場の意見を吸い上げるボトムアップ型の経営を目指し、女性や専業主婦の目線で様々なアイデアを取り入れながら会社を業績改善へと導いていきます。

最初に取り組んだのが「挨拶の徹底」「5S活動」の実施、「QCサークル」の設置等です。どこの製造業でもやっていそうな取り組みに見えますが、諏訪社長は言います。

「重要なのは社員が積極的に提案すること。そしてどんなにささいな提案でも、必ず会社がそれを取り入れること」

「自分が提案した改善案が実現すれば、モチベーションが上がり、更なる改善のネタを探し、気付き、実行するようになる。そうした努力や工夫で会社を変えられることが大きな励みになる」

と。

むやみに上から命令するのではなく、現場に繰り返し話しかけ、導入の意義を納得させた上で取り組ませているのです。他にも「若手社員との交換日記」「あえて未経験者を採用する」といったユニークなアイデアを取り入れながら、人材育成や職場の活性化を図ります。読むだけで元気が出るようなそんな一冊であると自信を持ってオススメします。

【参考文献】日経PB社「町工場の娘」諏訪貴子著NHKドラマ10「マチ工場のオンナ」

 

 


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