北海道胆振東部地震会長

大阪北部地震、台風21号の被害、北海道胆振東部地震など自然災害が続いて、しかも、想定外と思われるような被害が発生している。

先日も〝防災士〟の方から、「関東で地震が起きる確率は70%ですよ。30年先に向かって地震の確率が高くなっていくのではなく、いま、直ちに地震が起きる確率と考えてください」というような話を聞いた。

このような話の後であったから北海道の地震が起きた時は、その前に起きた大阪の地震や台風の被害と合わせて、想定外の異変がいつ起きてもおかしくはないと思った。

想定外

今回の北海道の地震は確率の低い地域で起こったことや、北海道全域が停電に襲われ完全復旧には一カ月もかかるなど、誰もが想定していない地震であった。

地震そのものは日本の国民はいつ何処で起きても当たり前のことと思っているが、今回の北海道の地震では眼を覆う山肌の崩落や北海道全域の停電など想定外の被害が起きている。

台風21号でも想定外の被害が起きた。関西空港が水没状態になるなど想像もしていなかった事態が起きている。設計、造成段階では、どのような事態が起きても水没しない設計でなくてはならないはずだ。

タンカーが連絡道に衝突して海上に造成された関西空港を海の孤島にしてしまうなども想像できないことであったと思う。しかし、船の衝突はさておき、橋桁がどのくらいの衝撃に耐えられるか、想定以上の衝撃を受けた時の対策は、本来なら想定しておくべきではなかろうか。

東日本大震災で起きた原子力発電所の津波の想定と同じようなことが起きている。「想定以外のことは起こらない」として想定以上のことが起きた時の対処方が検討されていないのである。

人間の力には物理的にも経済的にも限界がある。設計条件以上の災害が起きないことを念じつつも、設計条件以上の力がかかったときの想定・対処等を明らかにしておく必要があるのではないか。

想定外のリーマンショック

想定外と言えばもう一つ想定外のことが発表された。それはリーマンショック直前の日銀政策決定会合の議事録が公表され、その中でリーマンショックを想定できていなかったことが明らかになった。

今年7月18日の日本経済新聞によると、平成20年1月から6月の議事録が公表されたことに対して「リーマン危機予測できず・日銀3カ月前『最悪期去った』」「日銀、危機に先手打てず」とある。

この記事を読んだとき1929年の大暴落の時、その直前にバブルを称賛した有名な経済学者であったアーヴィング・フィッシャー教授や、大暴落の前に楽観的な論調を張った有名経済学者を思い出した。

リーマンショック後の副作用

今年の9月15日はリーマンショックが起きて10年である。この10年を機会にリーマンショックの検証や今後の情勢について検証が行われている。

リーマンショックの衝撃があまりにも大きかったためにアメリカのFRB、EUのECB、中国、日本の日本銀行など各国の中央銀行は今までにない大規模な異次元の金融緩和を行った。しかし、アメリカは既に金融正常化過程に入り、ECBでは金融緩和を終了し正常化へ向かおうとしているが、日本と中国は未だ出口が見えないでいる。

正常化の過程に入ったアメリカのFRBといえども大規模な金融緩和により体力を消耗しており、やがて来ると予想される景気後退に対して十分な金融政策をとる余力がないのではないか心配する論調が多い。

日本の財政破綻はあるか

このような中で日本政府は毎年前年を越える財政支出の膨張を続けている。この財政支出を支えGDPを超える国債・ETF・REIT等を購入し資産が膨張している日本銀行は来るべき景気後退期には政策余地がないと考えられているばかりか、これからの財政支出を支える体力に疑問符が出されている。

また、ゼロ金利政策に合わせ金融機関の体力も限界にきてゼロ金利政策の副作用を懸念する声も多くなった。スルガ銀行も預金流出が続いているとのことで、ショックの引き金にならないことを願うものである。

「日本の財政破綻は起きるかどうかではなく、いつ起きるかである」(エンド・ゲーム281P)といわれて久しい。

「想定外のことが起きた」と云わないでほしいと願っている。

 

税理士法人LRパートナーズ
代表社員 小川 湧三

 


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