東西回廊に立って

202_会長_寝仏前にて_optはじめてのラオス

11 月「日本ラオス外交関係 60 周年 祝賀代表団」に便乗してラオスへ行ってきた。ラオスは今までも行ったことがあるかどうか記憶が曖昧で印象の薄い国であった。しかし、ラオスの通貨はkip(キープ)と知って今まで聞いたことのない通貨単位なので、初めてラオスに来たことを実感した。

ラオスの首都ビエンチャンは雨季も明けて天候もよく、アセアンの海に面した国と違って〝蒸し暑さ〟は感じられず、比較的快適に感じた。

ラオスの人たちは、豊かな自然循環の中で家族親戚を中心にした自給自足の農業で生活しており、温和な性格だそうである。

食べ物も日本の味に似て比較的マイルドで非常に食べやすいように感じた。

東西回廊

ラオスはミャンマー、ラオス、カンボジアとメコン川流域のメコン経済圏の〝へそ〟に位置する国家でアセアン経済共同体の一員として、これから開発が始まるところである。

以前、ミャンマーの報告をした時、ミャンマーはアジアでの最終ランナーといったが、ラオスこそが東南アジアの内陸部に在ってアセアン諸国の最終ランナーとして動き出した。

ラオスは中国、ミャンマー、タイ、 カンボジア、ベトナムに囲まれた海を持たない国で、内陸の中で自給自足の経済であったが、これからはアセアン経済共同体の中でメコン川流域国家の一員として東南アジア全域の中核となる位置にある。

そのためラオスではメコン流域経済圏の中心として東西南北、十字に結ぶミャンマー(モーラミャイン)、タイ(コンケン)、ラオス(サバナケット)、ベトナム(ダナン)を結ぶ東西回路と、中国、ラオス(ルアンパパーン)、タイ(バンコク)を結ぶ南北回廊が計画されている。これらを前提として現在では 11 カ所の 経済特区(SEZ)が承認され現在6カ所で海外企業の進出が始まった。

しかし、南北回廊、東西回廊の基となる現在の道路を実際に走行した人の話によると、現在の道路ではとても現在の物流品質には程遠く、時速15キロ程度の慎重な運転をしなければ積載物の品質は保証できないのではないかという。しかし、東西回廊が完成すれば新しい東南アジアの誕生ともいえるほど素晴らしいものである。膨大な投資が必要となるがかつてのアンコールワットやパガンのような東南アジアの新しい中心が生まれるかもしれない。

平和が大事

東南アジアでは先ほどのアセアン(ASEAN)のほかにRCEP、FTT、TPPなど経済連携が進んできている。アセアン経済共同体では「アセアン域内での分業ネットワークの深化」を掲げている。アセアンにしろ、TPPにしろ、広域の経済連携は産業の適地化を推進することにほかならない。このことを国単位で見てみると、国ごとに中心となる産業の内容が変わるという事であって、このような経済連携が成り立つ前提は、国家間の相互依存関係の深化と交流が深まり平和でなければならないことである。

しかし、メコン流域経済圏ではつい最近まで政情不安で内戦が続いていた。ミャンマーではつい最近まで少数民族と内戦状態にあった。カンボジアではポルポトによる破壊の時代があった。

ラオスでも 40 年前までは内戦に苦しんでいた。一方、ヨーロッパ諸国を襲っている難民や、難民を大量に発生させている中東に目を転ずるとISや空爆による凄まじい破壊が進んでいる。経済連携を推進していくにはこのような破壊のサイクルに入り込まないようにしなければならないし、破壊まで行かなくともウクライナ・トルコ対ロシアなどで行われている経済封鎖の応酬などが起らないような仕組みが確立されなければならないと思う。

共存共生のモデル

私はずーっと以前、宇宙船から地球の映像をテレビで見ていたときに感じたことがある。地球は閉鎖社会なのだと。それに合わせて江戸幕府の鎖国時代を思い描いた。

また、最近NHKで世界の四大遺産として青森にある三内丸山遺跡が縄文時代の一万年も続いた持続可能な社会のモデルとして放映され世界的に注目されている。

外国の留学生は日本の不思議として「日本人はすぐ謝る」をあげていたが、「お互いに譲り合う」「おもてなし」など「地球閉鎖社会」到来に伴って日本の価値観が益々光り耀き平和に不可欠なものになって欲しいと思う。

 

税理士法人LRパートナーズ 代表社員 小川 湧三


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