投資信託入門 その5 『一つの商品で分散投資するには・・・?』

【はじめに・・・】

前回、「長期投資のススメ」では、早いうちからコツコツと長期にわたり積立しましょう!とご紹介しました。

今回は、「分散投資」を手軽に始められる商品をご紹介していきます。

資産運用では、投資する資産の種類や地域を分散させることで、リスクを軽減することができるとされ、様々なデータにより実証されています。

【バランス型ファンド】

バランス型ファンド(投信)とは、国内外の株式・債券・REITなど複数の資産に投資するファンドを指します。投資先が2種類以上であればバランス型に分類されますが、ファンドによって、その資産の組合せや組入れ比率は様々です。中には、エネルギーや貴金属・穀物などの「コモディティー」を加えたファンドもあり、内容によってリスクの大きさも変わってきます。

複数の投資信託を組入れて運用する[ファンド・オブ・ファンズ]の形式がとられている商品が多くあり、同じ商品でもリスク許容度に合わせてコースをいくつか設け、その中でスイッチングが可能な商品もあります。但し、信託報酬は二重にかかることになり、費用は高くなりがちです。

◇スイッチングとは・・・?

運用中に、ファンドの積立金を追加または別のファンドに移転することを言います。

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【バランス型ファンドを選ぶ際の注意点】

商品の中だけで分散するのではなく、自分の保有している資産を確認し、それ以外の資産に多く投資するファンドを選びましょう。

例えば、国内株式・国債などを保有している人は、海外の資産に分散するタイプを。持ち家や、不動産を所有している人は、REITの含まれていないタイプのものを。投資は全くしていないという人でも、将来貰う年金の多くは国債で運用されています。従って、安定志向であっても、海外債券・国内外株式などにも目を向けた方が、より良い資産分散になります。

また、年齢やライフスタイルの変化により、余裕資金の増減、リスク許容度など変化します。一度選んだ商品でも、定期的に見直しましょう。

【ライフサイクル型ファンド】

バランス型ファンドの1つで、年金型ファンドとも呼ばれ、投資家のライフサイクルに応じて最適な資産運用プランを提供しようという商品です。

現在の年齢や、リタイヤメント時期から、目標となる時期=[ターゲット・イヤー]を決め、投資先の資産配分を自動的に調整していきます。資産の中身は、リスク・リターンの異なる複数の資産で、国内外の株式・債券・REITが基本となっています。

具体的には、若いうちは国内株式・海外株式などに積極的に投資し、徐々に投資配分を変え、ターゲット・イヤー到達後は、主に国内債券への割合を増やし、安定運用を図り、配当を重視していきます。またターゲット・イヤーを変更したい場合は、同じ商品内でスイッチングも可能です。プロに任せて、年齢にあった運用ができる商品と言えるでしょう。

運用期間が15~40年と長いので、運用コストも重要なポイントです。商品によっては、信託報酬が高めに設定されているので、キチンと確認しましょう。

ゆうちょ銀行で販売している、野村資産設計ファンド「未来時計」(ノムラアセットマネジメント)などがこの分類にあたります。

【まとめ】

投資信託は、分散投資によるリスク軽減の効果も期待できる、資産形成において非常に有効な商品です。

但し、正しい分散投資の為には、資産状況や資産配分をしっかり把握する必要があります。その上で、プロに任せるもよし、自分で運用するもよし、我が家での資産配分を考えて、商品を選ぶとよいですね。

 


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