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新ジャパン・アズ・ナンバーワン

2026/08/12

こんな文章に出会った。(※1)

「ジャパン・アズ・ナンバーワン」は1979年に刊行され、日本でもベストセラーになった、当時の日本の〝奇跡的〟な経済成長を称賛する本のタイトルだ。現在の日本が世界における「ナンバーワン」であるのは「高齢化率」「人口減少」であり、21世紀後半に向けて、日本は文字通り〝高齢化と人口減少のフロントランナー〟として世界の先頭を駆け抜けていくことになる。

実際、日本の高齢化率はすでに29・4%で実質的に世界一である。人口減少についても同様であり、このように現在は全く異なる意味の「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の時代なのだ。』

5月29日に国勢調査の速報値、6月3日に令和7年の人口動態統計の発表があった。

国勢調査の発表を新聞記事の見出しを拾えば

「人口309万人減:過去最大」
「横浜や広島:13政令市でマイナス」
「神奈川県:県内人口、戦後初の減少」
「人口減り幅一気に拡大:高齢者比率増加一途」
「埼玉と千葉初の減少」
「人口は45道府県で減少し、増加したのは東京都と沖縄県だけだった」

等々。

「失われた30年」で大工場の海外進出・移転による国内の中堅サラリーマンの人員整理や海外流出を推進するための中堅人材の労働力流動化政策。新自由主義を背景とした大店法によるシャッター街の出現と地方経済の疲弊と破壊。

中国の安い労働力に注目した大企業の製造業の中国移転と下請け切り捨てによる国内製造業、特に中小企業の淘汰など中産階級の中核をなす自営業者の没落が重なり、三重苦、四重苦により国内の地方経済が疲弊崩壊してしまった。

子育てには家庭・家族・コミュニティ、それぞれの再生が不可欠である。都市化によって破壊されたこれらを回復・再生するには、地方経済を再活性化・再生により地方定住人口を増やす必要がある。

戦後の復興期には地方が労働力の供給源になったように、豊かな地方をはぐくみ、そこから都市の必要な労働者の供給ができるように地方を活性化・再生する政策が求められる。

先日、元外交官の講話を聴く機会があった。

日本にあって世界にないものとして、3つの「C」と3つの「S」を挙げておられた。

3つの「C」とは

「Clean(清潔)」
「Convenient(便利)」
「Comfortable(快適)」

であり、3つのSとは

「Serene(静謐)」
「Safe(安全)」
「Secure(安心)」

である。

これらを守るには、

①インバウンドを量から質に転換すること
②外国人労働者の受け入れも量から質に転換すること
③外国人の土地購入を禁止すること

と3つの政策の見直しを求めておられた。

また、「人口急減社会で何が起きるのか」(※2)というシンポジウムでの報告書では「戦略的に縮む」として「小さくとも豊かな国へ」「大都市集中型→拠点型国家へ」との提案もあった。私も全く同感である。

地球はいま宇宙から見れば小さな星の中に閉じ込められた閉鎖社会の中にあることが分かった。

限られた閉鎖社会の中で生きていくうえで、最後に残るのは閉鎖社会の中で繁栄してきた「譲り合う」「三方よし」という「和」の日本の思想・経験と考える。

日本は自然豊かで四季に恵まれた国である。また、日本文明は世界のどの文明圏にも属さず独自の文明圏を築いてきたのである。

戦争の絶えない世界を脱し、譲り合い、認め合う世界へ移行するには日本文明がその見本となるであろう。

うれしいニュースがあった。

朱鷺の放鳥である。

石川県は5月31日、本州初となる朱鷺の放鳥式を能登地域の羽咋市で行った。もう一つ、「飛鳥・藤原の宮都」が国連・ユネスコの世界遺産として登録されることを国連・ユネスコの諮問機関が決定したと報じられていた。私は日本が戦略的鎖国を行い「3C」「3S」を守り人類の癒しの場となる自然豊かな「伊勢神宮」のような、世界の人たちが立ち止まり、立ち寄るような存在になることを願っている。

(※1)広井良典氏(著)『日本の未来像ー地球定常文明のデザイン』(「はじめに」より抜粋)

(※2)公益財団法人 新聞通信調査会(編集)
『人口急減社会で何が起きるのかーメディア報道の在り方を考えるー』P.36

LR小川会計グループ
代表 小川 湧三