LR小川会計グループ 電話をかける

MENU

LR-ブログ

LR公式HOME 法人(経営) 中小企業における「賃上げ疲れ」

中小企業における「賃上げ疲れ」

2026/09/24

大企業が高い水準の賃上げを実現する一方で、中小企業の多くは利益が伴っていないにもかかわらず、人材流出を防ぐためなど、無理して賃金を上げる「防衛的な賃上げ」を余儀なくされています。大企業と中小企業の賃上げ格差はますます拡大し、中小企業における人件費高騰による倒産は急増傾向にあります。

基本給(ベースアップ)を引き上げると、それに連動して様々なコストが自動的に跳ね上がります。これが「賃上げ疲れ」をさらに加速させる最大の要因です。

・法定福利費(社会保険料)

・残業代(時間外割増賃金)

・賞与(ボーナス)

「基本給の〇カ月分」と規定している企業が多いため、基本給が上がれば連動して賞与の支給総額も増加します。

・退職金

「退職時の基本給×勤続年数×係数」といった算定方式をとっている場合、将来支払う退職給付債務が膨らみます。

基本給を上げる以外の方法で従業員に還元しつつ、経営を守るためのコストコントロール手段には以下のようなものがあります。

・手当や福利厚生での還元

基本給ではなく、条件を満たせば残業代の計算基礎から除外できる手当(家族手当や通勤手当など)や、福利厚生を活用することで連動コストを抑えられます。

・賞与規定/評価制度の見直し

基本給をベースとする算定基礎の見直しや、業績連動型賞与・評価ポイント制へ移行することで、自動的な人件費高騰を防ぐことができます。

・退職金制度の見直し

「退職時の基本給×勤続年数×係数」という従来の基本給連動型を廃止することで、基本給増加に連動する退職給付債務の増大リスクを軽減できます。

また、企業型確定拠出年金(企業型DC)やiDeCo+(イデコプラス)などへ退職金制度を移行して債務リスクを分散することも有効です。

「基本給」と連動を切り離すことで、少しでも「賃上げ疲れ」を防ぐのがカギです。

「毎月の生活保障=基本給」「業績還元=賞与」「将来の備え=企業型DC」などと役割を明確に分けることで、リスクを抑えつつ従業員へ還元できます。