AIが問う〇〇の役割
2026/09/08新聞記事から
1月24日付 日本経済新聞に『AIが問う医師の役割』という記事が掲載された。

「「誤診のない医療」―。人工知能(AI)が「病気を見抜く目」として医療現場の幅広い領域で使われ始め、こんな理想が夢物語とは言えなくなってきた。」「例えば、診察の第1段階である問診。患者から症状や既往歴、服薬歴、生活習慣などを聞き取って診断の手掛かりを得るプロセスだが、患者の声を精緻につかむ「AI問診」の導入が広がっている。」
「問診の次に行われる検査の領域では、以前からAIが浸透している。レントゲンや内視鏡の画像、あるいは心電図の波形をAIに解析させて、病気をいち早く発見する技術が実用化されている。」
「数年ほど前までは、AIが進歩しても「患者に寄り添う仕事」は人間の医師にしかできないと目されていた。」だが寄り添い型のAIも出てきているようだ。
「終末期の過ごし方などは、むしろ『AIこそが本人の意思を正しく把握しうる』。」「家族に代わって心のやすらぎを与えながらもある日、『穏やかに楽になれる方法もありますよ』と声をかける。寄り添い型のAIが医療や生死の判断に影響を与える可能性があることに警鐘を鳴らす人もいる。」
AIも使いよう?
最近聞いた話。同じ問いをChatGPTとGeminiとClaudeの三つのAIソフトに質問したところ、三つのソフトはそれぞれ違った答えを出してきた。いったいどれが本当なの?
これも聞いた話。ある戦争の戦略について、二つの「AIソフト」で討論させたら最終結論は「原爆投下」に行き着いたという恐ろしい話もあった。
もう一つ、聞いた話だけれども、ある不動産のことで不動産業者の担当者と社長が出てこられて、お客様の問いに「AIがこう答えています」との答え。
「社長さんや担当の〇〇さんのご意見はどうなんですか」との再度の問いにも「社長も担当者も口を揃えて『AIがこう答えています』と繰り返すばかりだった」とのこと。
巨人軍の阿部前監督問題
ショッキングな報道があった。巨人軍の阿部監督が辞任した。家庭内の些細なトラブルのことを娘さんがAIに聞いて、その先もAI連鎖の中で警察沙汰になってしまい、結果、巨人軍の監督を辞任することになってしまったのである。
AIの使い方次第で思わぬ方向にいってしまう。怖い事例の一つであろう。
身近な問題・税務相談
タイトルの「〇〇」のところに、弁護士、税理士、公認会計士、不動産鑑定士、中小企業診断士、コンサルタント等、いわゆる専門職業人を入れてみたらどうであろうか。
今、税理士業務で業際問題が課題となっている。税理士以外の人たちが税理士業務を侵害することに対してどのように答えるか。答えようによっては税理士法に違反したり、しなかったり。面倒くさいからAIを携帯し「AIがこう答えています」としたらどうなるのであろうか。
「税務相談」は税理士の専担業務とされているが、どこからが法律でいう「税務相談」かは判りにくい。
なぜなら、税金の問題は経済取引のすべてに税が絡んでいると言っても過言ではないからだ。
生命保険や証券取引、不動産取引等それぞれの取引に関わる人たちはその業界に関わる税制や知識は一般の税理士より詳しい。
会計事務所の職員はお客さまから絶えずいろいろな質問を受けている。必然的にお客さまや一般の人たちよりも詳しくなるのは当然である。
会計事務所の職員は仕事を通じて得た知識をどうお客さまに伝えたら税理士法違反になるのであろうか。ややこしい問題ではある。
自分の頭で判断する
当事務所もAIの導入を推進している。内容の理解できない者が、AIに聞いて「AIがこう答えています」といえば、阿部監督事件と同じことが起こり得る。それでも再度「あなたの意見は?」と聞かれてどう答えたらよいのであろうか。応答のマニュアルを作成する必要があるかもしれない。
7月22日付 日本経済新聞『大機小機』に〝「火の鳥」が問うAI時代〟と題するコラムがあった。AIに判断を委ねた結果、最後に人類が滅亡するストーリーだが、物語では「なぜ、人間は自分の頭で判断しなかったのか」と問われている。
LR小川会計グループ
代表 小川 湧三

