MG(マネジメントゲーム)ゲームで表せる会社経営の縮図
経営がわかる総合的人材育成 MG(マネジメントゲーム)ゲームで表せる会社経営の縮図
ソニーの経営手法をモデル化
MGはソニー出身の西順一郎先生によって開発された総合人材育成プログラムで、利益の出る会社経営をするために「利益とは何か」「企業とは何か」という企業教育を目的としています。
経営者対象の研修は主に座学方式の理論的な研修が多い中、チップとカードと決算表を用いて行う参加型ゲーム方式です。
参加者各自が一社の社長となり、資本金300万円を元手に5期分の仕入、生産、販売とそれに必要な諸経営活動を行って会社経営と記帳・決算まで体験をするというスタイルを採っています。
資本金はベテランも初参加者も同額ですが、経営手腕で2倍にする人もあれば、自己資本をまったく失って倒産する人もあります。
製造業だけを対象としているわけではありません。商業でも、サービス業でもシミュレーションができるようになっています。
それはどのような業種であっても「企業」という概念を考えていくことが研修の重要な目的だからです。
会社の仕組みを小さな盤上に再現
下の写真は、各自が持つ会社を表し「会社盤」と呼びます。材料を購入し①材料倉庫に保管しておき、次に②工場に材料を投入し、③営業倉庫に完成品となったものを保管しておきます。
この生産と販売の工程を含めて、1卓6名が順番に意思決定カードを引いて、1工程ずつ進めていきます。また、完成品ができたら市場で販売して資金を回収し、その資金で材料仕入れをして製品を作り再び販売するという手順を定められた時間まで繰り返します。
仕入・生産・売買等経営の意思決定をゲーム上で行ったあと、MGの核心でもある決算書の作成を全員が各自「手計算」で行います。現実の会社であれば、経理担当者あるいは会計事務所が記帳を行うので、社長自身が記帳から決算まですべて行うということはほとんどないのですが、この研修では全員が正しい決算を出すまで行い続けます。
プライシングの重要性を身につける
販売は入札制で一番安い価格を提示した者が販売権を得ます。販売に当たっては、自分で決めた価格で入札し、同じ入札価格なら研究開発された付加価値の高いものが優先的に売れていくルールです。入札制を採ることにより、売りたくとも売れなかったり、安い値段で売らざるを得なかったりとプライシングの大切さも自ずと身につくように仕組まれています。
社会で起きることは全部MGでモデル化されている
会社を経営していく中で良きにつけ悪しきにつけ不確実なことがたくさんありますが、これをMGではリスクカードとして採りいれています。
このカードには、設備故障、社員退職、投資の失敗などのマイナス要素もあれば、中には市場独占販売権などのようなラッキーカードも含まれています。このように経営をしていく中で訪れるリスクを自然と考える習慣が身につくようになります。
このように1期わずか40~50分の中でもすべての経営者の皆さんが日々経験なさっているようなことを次々と体験するのです。
原価計算は直接原価法による
各期のゲーム終了後は各期ごとに決算書を作り、自分の行った経営がいくらの利益を生み出したかを数字で確認します。
原価計算は直接原価法によって計算することにより初めて経営を科学的に理解し、分析することができるようになりますし、キャッシュフローが初心者にもよく分かるような仕組みになっています。それにより税務申告のための決算ではなく、経営の意思決定のための実践的な決算を身につけられます。
つまりゲーム全体を通じて経営者としての意思決定力や全体の俯瞰力、決算能力、決算書を読む力などが養成されるのです。
MGは同じことの単調な繰り返しのようでいて、実は意識の持ち方次第で実際の経営シミュレーションの場として現実ではなかなか試せない戦略パターンをゲームで試すことも可能なのです。
実戦の経営は免除も待ったもなし
初めてこのゲームに参加された方がどなたも戸惑われるのは決算書の作成です。初心者が取り残されてしまうことがあります。その際にも一定の時間が経過するとギブアップ=決算免除、ということには絶対になりません。実際の会社経営で決算を省くことはできないからです。
たとえ、周りが全員決算が終わって一人だけ計算できずに取り残されても、早く終わった人が間違いを発見するためのアドバイスはしますが、辛くても最後まで自力で完遂することが要求されるのです。
ゲーム上で決算を自力でやってこそ、利益の構造を理解したり、利益を出す仕組みを会得することができます。またゲームが上手になるにつれて経営の法則や気配りができるようになっていくのです。現役社長はもちろんのこと経営を理解できる事業後継者、幹部社員の育成にも最適なので、私たちLR小川会計グループが皆さまにお奨めするものです。
次号では今回のMGでゲストにお迎えしたMG経営の実践家で増収増益体制を作り上げたネットショップ店長・東海林氏の講義記録を掲載いたします。
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