LR小川会計グループ 電話をかける

MENU

LR-ブログ

LR公式HOME 社長・所長・所長代理 家族信託の仕組みと登場人物 ~誰に何を託すのか~

家族信託の仕組みと登場人物 ~誰に何を託すのか~

2026/11/06

前回は家族信託の概要などについてお話ししました。今回は、家族信託がどのような仕組みで成り立っているのか、その登場人物と信託できる財産について解説いたします。

信託とは、信託契約や遺言などの信託行為によって、特定の者が一定の目的に従い、財産の管理または処分など必要な行為をすべき法律関係を創設するものです。家族信託を理解する上で欠かせないのが、「委託者」「受託者」「受益者」という3人の登場人物です。

まず「委託者」とは、自分の財産を信託する人のことです。自身が所有する財産について「このように管理・活用してほしい」という目的を持ち、その実現のために管理・処分を特定の人に任せます。認知症をご心配の方や、後継者に財産管理を任せたい不動産や会社のオーナー様などが該当します。

次に「受託者」とは、委託者から託された財産(信託財産)を、契約で定められた目的に従って管理・運用・処分する義務を負う人です。家族信託では通常、委託者のお子様などの親族が務めます。受託者は委託者の財産を預かる責任を負うため、自身の固有財産と信託財産を分けて管理する分別管理義務や、善管注意義務、忠実義務、事務処理状況を報告する報告義務など、法律上の義務を果たしていく必要があります。

そして「受益者」とは、信託財産から生じる利益を受け取る権利(受益権)を持つ人のことです。受益権には、利益を受け取る権利だけでなく、受託者が適正に管理しているかを監督する権利も含まれます。家族信託では、委託者自身がそのまま「受益者」になるケースが一般的です。

信託できる財産(信託財産)には、現金・預貯金や不動産のほか、自社株などの有価証券や知的財産権などの幅広い資産がなり得ますが、公的年金を受け取る権利など、本人にしか認められない資産や権利(一身専属権)は信託財産になりません。不動産を信託する場合は所有権移転登記と「信託登記」を行い、受託者が管理していることが第三者にもわかるように登記簿へ明記します。

信頼できる家族へ権限を託すためにも、仕組みをしっかり整理しておくことが大切です。次号では成年後見制度や遺言との違いを説明します。

税理士法人LRパートナーズ
川崎事務所 所長 嶋田 栄一