【改正】少額減価償却資産の特例の拡充
2026/07/24❖「少額減価償却資産の特例」とは
通常、業務用のパソコンや機械、備品などを購入した場合、その費用は購入した年に全額を経費として計上することはできず、数年に分けて少しずつ経費(減価償却費)として処理する必要があります。
しかし「少額減価償却資産の特例」を活用すると、一定の金額未満の資産であれば、購入したその年の経費として一括で全額を処理する(全額損金算入する)ことが可能になります。利益を圧縮して節税につなげることができるため、設備投資の際に活用されている便利な制度です。
❖どう改正されるのか
基準額が「40万円未満」へ引き上げられます。これまで、購入代金の全額をその年の経費として一括計上できる基準額は「30万円未満」でした。
しかし、各種資産の価格動向を背景に、令和8年(2026年)4月1日以後に取得した資産からは、この基準額が「40万円未満」へと引き上げられます。
これにより、少し高機能なパソコンやソフトウェア、各種専門機器の導入であっても、一度に経費計上しやすくなり、節税を通じた資金繰りの改善が期待できます。
また、本特例の適用期限も令和11年(2029年)3月31日まで3年間延長されました。
❖注意すべきポイント
① 特例を利用できる年間の限度額は、改正前と変わらず「300万円」のままです。
事業年度末にまとめて複数台の設備投資を行う際などは、うっかり上限を超えないよう注意が必要です。また、税金を減らすために慌てて購入すると、結果的に手元の資金が大きく減り、無駄遣いになってしまう可能性があることにも留意しましょう。
② 一括で経費計上することで、法人税等(利益にかかる税金)の負担は減りますが、償却資産税(保有する資産にかかる税金)の申告対象にはなる点に注意が必要です。
❖最後に
2027年末には蛍光灯の製造が終了してLED等への切り替えが迫られるなど、企業は今後もさまざまな設備更新の波に直面します。さらに、諸般の事情による物価高騰の嵐が吹き荒れており、日々の業務に必要なパソコンや専門機器といった設備の導入コストも上昇傾向にあります。
このような厳しい経営環境だからこそ、より使いやすく拡充された本特例を、設備更新の絶好のきっかけとして活用してみてはいかがでしょうか。

