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変われない国と、変わるべき企業

2026/10/22

現在の政権は前回の衆院選挙でこれといった特色を出すことができずに「消費税減税」一色でしか戦うすべがなかった。

自身でも本来はするべきではないとわかっている「消費税減税」で戦わざるを得なくなったのは、日本の政治史において、消費税の導入や増税は時の政権にとって「鬼門」とされ、竹下政権や橋本政権のように退陣に直結する大きなリスクを伴うものであり、衆院選で野党が軒並み減税を訴える中で、自身の党だけ消費税減税に反対するほどの明確な代替政策を打ち出すことができないからだった。

ご存知の向きも多いと思うが、2009年以降の欧州では3カ国が時を別にして消費税(国によって呼び方は異なるが消費税と同様の税)について食料品などを対象に減税したが、消費者価格低下は限定的もしくは起きなかったと認識されている。

その理由は税率が下がっても、原材料費や人件費の高騰を理由に事業者が価格を据え置いたり、すぐに再値上げを行ったりするため、店頭価格が下がらないためだ。

そして限定していた減税期間が終了して税率が元に戻ったときには、あたかも増税したような価格上昇が起きてしまうことも広く共通の認識となっている。残るのは巨額の税収が失われて悪化した国家財政という矛盾と、増税感への大衆の不満である。

そもそも低所得者を消費税減税で救うロジックが間違っているのは自明であり、あえてそれを実施するのはポピュリズムに傾いていることを示唆し、そんなところまで米国に似る必要はないのだがそれこそが時代の流れであるのかもしれない。

先の大戦後から大国の庇護のもとで自由資本主義の実験場として平和と繁栄を安寧のうちに享受していた我が国は、大戦後に築かれた世界の秩序が大きく変わってしまっている現状でも国内事情と大国の顔色をうかがいながら極東の端で内輪もめをしているようで、なんとも心もとない。

経営を担う皆様には、「変化することこそが常態である」との前提に立ち、事業の継続とイノベーションを模索していただきたい。

中小企業におけるイノベーションとは、ゼロから画期的な新技術を発明することではない。自社がすでに持つ強み(技術やノウハウ)を、これまでとは違う領域や方法で活かすことである。厳しい環境下において、現状を維持するためにこそこうした変革が必須であると、強く認識していただきたい。