個人事業主のための “法人成り” 完全ガイド〜いつ・なぜ・どうやって法人化するのか〜
2026/08/04目次
第425回 ロングリレーションズ倶楽部
テーマ:
個人事業主のための “法人成り” 完全ガイド
〜いつ・なぜ・どうやって法人化するのか〜
講師:
第2部 税理士法人LRパートナーズ税理士 簾長 美歩
今回のロングリレーションズ倶楽部は、個人事業主のための「法人成り」の解説です。
♣法人成りの全体像
個人の所得税は累進課税ですが、法人税は一定税率のため、利益が増えるほど法人税率の方が低くなります。課税対象となる所得金額が800万円を超えたときが法人化を検討すべきタイミングです。
♣法人成りのメリット
①役員報酬・給与を利用
法人の役員報酬にすることで給与所得控除を差し引いた金額への課税となり、手取りが増えます。また、家族に役員報酬を支給することで所得の分散が可能になります。
②信用力の向上
会社形態となるため、取引先や金融機関に対する社会的信用力が上がります。
③経費計上の範囲拡大
生命保険料や交際費、福利厚生費等の認められる範囲が広くなります。
④事業承継の円滑化
株式贈与、株式譲渡などで引継ぎがしやすくなります。
⑤赤字の繰越期間延長
個人の青色申告では3年間ですが、法人の青色申告の場合、10年間に期間が延びます。
♣法人成りのデメリット
①設立の手間と費用
設立登記や定款作成、届出書の提出などの費用がかかります。
②
維持コストや事務的負担の増加
法人は資産・負債まで正確な把握が必要です。また、
役員変更や本店移転など、登記事項変更の度に手続きと費用が生じます。
③赤字でも税負担がある
赤字決算でも、法人住民税の均等割の負担があります。
④お金の自由度の低下
個人と会社のお金を分ける必要があり、私費を会社から出すと会社からの借入扱いとなり、利息が発生します。
⑤社会保険料の負担増加
常勤役員で報酬が支給されている場合は社会保険加入が義務となり、支給額によっては総負担額が高くなる可能性があります。
法人成りを検討する際は、効果のシミュレーションや将来の承継について考えることが大切です。

