金融機関で必須化が進む「パスキー・2段階認証」とは?今すぐ対応すべき理由と設定のコツ
2026/08/28目次
クローバー通信 No.254
金融機関で必須化が進む「パスキー・2段階認証」とは?今すぐ対応すべき理由と設定のコツ
2026年現在、主要なネット証券やメガバンク系証券、大手銀行において、このパスキー認証への移行や「必須化」の動きが本格化しています。「これまでのパスワードやワンタイムパスワードではダメなの?」「どうやって設定すればいいの?」と戸惑っている方も多いのではないでしょうか。
今回は、資産を守るために不可欠となった「2段階認証」と「パスキー」の仕組み、導入の背景、そして現役で働く世代とシニア世代がそれぞれ今行うべき具体的な対応について分かりやすく解説します。
1 「2段階認証」と「パスキー」の基本
まずは、セキュリティの基本となる2つの言葉を整理しましょう。
① 2段階認証(多要素認証)とは?
2段階認証とは、IDとパスワードによる「第1段階の認証」に加え、さらに別の方法で「第2段階の認証」を行う仕組みです。
従来のログインは「覚えているパスワード」だけで鍵を開けていましたが、2段階認証では「登録したスマホに届く1回限りの暗証番号(ワンタイムパスワード)」などを追加で入力します。
これにより、万が一パスワードが他人に漏れても、スマホという「実物」を持っていない悪意ある第三者からの不正アクセスを防ぐことができます。
② パスキー(Passkey)とは?
パスキーは、2段階認証をさらに進化させた「パスワードを使わない最新の認証技術」です。
お手持ちのスマートフォンやパソコン自体に「鍵(暗証番号の代わりとなるデジタルデータ)」を保存し、ログイン時にはスマホの「指紋認証」や「顔認証(生体認証)」、または端末の画面ロック解除コード(PIN)を使うだけで安全にログインできます。
従来の「パスワードを文字で入力する」という行為そのものをなくす仕組みです。
2 金融機関における「導入進捗」と「目的」
現在の導入進捗状況(2026年時点)
証券会社においては、パスキーの導入は「推奨」から「必須化」の段階へと完全に移行しています。主要なネット証券(楽天証券、マネックス証券、SBI証券など)や、大手証券(野村証券、みずほ証券など)では、2026年に入り、ログイン時や出金時のパスキー認証を順次必須化、または既存のメールによるワンタイムパスワードを廃止する動きが相次いでいます。
金融機関が導入を急ぐ「3つの目的」
金融機関がこれほどまでにパスキーの導入・必須化を進める理由は以下の3点です。
フィッシング詐欺の撲滅
従来のメール等に届くワンタイムパスワードは、金融機関を装った偽の「フィッシングサイト」にユーザーが自ら入力してしまうと盗まれてしまいました。しかし、パスキーは「本物のサイト(ドメイン)」と「自分の端末」の間でしか機能しないため、偽サイトに騙されて情報を盗まれるリスクが構造上ありません。
パスワード使い回しへの対策
他社から流出したIDとパスワードのリストを使い、金融機関に片っ端からログインを試みる不正アクセスが多発しています。パスキーであればそもそもパスワードが存在しないため、使い回しによる被害をゼロにできます。
利便性とセキュリティの両立
セキュリティを厳しくすると「毎回長いパスワードを入力するのが面倒」「メールが届かない」といった不便が生じます。パスキーは「スマホに顔や指をかざすだけ」で一瞬でログインできるため、安全性と使いやすさを両立できます。
証券業界が先行して必須化(あるいは導入完了)を進めていますが、銀行業界もそれに続く形で導入・検討を加速させています。
この流れに対し、私たちも早急に対応する必要があります。ライフスタイルやITへの関わり方に応じて、世代別のアドバイスをまとめました。

3 世代別のアドバイスと利用者の対応
◆ 働く世代へのアドバイス:複数端末の連携
仕事に家事に忙しく、スマートフォンで頻繁にチェックする働く世代は、パスキーのメリットを最も享受できます。
【具体的な対応とポイント】
案内が来たら「即時登録」:
「後でやろう」と後回しにしていると、ある日突然ログインできなくなり、重要な取引(積立の設定変更や資産の確認)に支障が出ます。
設定は数分で終わるため、金融機関から通知が来たらその場ですぐに登録しましょう。
マルチデバイス(複数端末)での共有を活用:
働く世代はスマホだけでなく、自宅など複数のパソコンから金融機関にアクセスすることも多いでしょう。Appleの「iCloudキーチェーン」やGoogleの「パスワードマネージャー」などを活用すれば、スマホで登録したパスキーが同じアカウントのパソコンにも自動で同期され、どの端末からでも指紋・顔認証やPINコードでスムーズにログインできるようになります。
万が一に備え「1社につき複数」のパスキーを登録:
スマホを紛失したり、故障したりした際、パスキーがその1台にしか入っていないと再発行手続きに時間がかかります。「スマートフォンの生体認証」に加えて、「普段使っているパソコンの認証」も予備として追加登録(多くの金融機関で最大10個まで登録可能)しておくのが、リスク管理としておすすめです。
◆ シニア世代へのアドバイス:安心安全な環境づくり
パスキーは一度設定してしまえば、「毎回複雑なパスワードを思い出し、小さな画面で入力する」という苦労から解放される、シニアにこそ優しい技術です。
【具体的な対応とポイント】
まずは「スマホの画面ロック」を設定する:
パスキーを利用するには、前提としてスマートフォンに「顔認証」「指紋認証」または「数字のロック(PIN)」が設定されている必要があります。まずはスマホ自体のロック設定を確認・有効にしましょう。
金融機関の公式ガイドやサポートを頼る:
各金融機関は、シニア層向けに図解付きの分かりやすい登録マニュアルを用意しています。また、電話サポートや、店舗のある金融機関であれば窓口で手順を教えてもらうことも可能です。焦らず、一社ずつ確実に登録を進めてください。
「パスワードのメモ」の取り扱いに注意:
パスキーに移行したあとも、スマートフォンの機種変更や、万が一のシステム不具合の際、「従来のパスワード」を求められることがあります。古いパスワードは破棄せず、これまでのパスワードが書かれた手帳やメモは、他人の目に触れない安全な場所に引き続き保管しておいてください。
「パスキーを登録してください」という詐欺メールに注意:
「パスキーの必須化」というトレンドに便乗し、偽のリンクを踏ませようとするフィッシングメールが出回る可能性があります。登録を行う際は、必ず普段使っている金融機関の「公式アプリ」を開くか、あらかじめブックマーク(お気に入り)に登録してある公式ホームページからログインして手続きを行ってください。メールのリンクを直接クリックするのは厳禁です。
まとめ
金融機関における2段階認証やパスキーの導入は、私達の大切な老後資金や投資資産を、日々巧妙化するサイバー犯罪から守るための「強力な盾」です。
最初は少し難しく感じるかもしれませんが、一度登録してしまえば、今後のログインは驚くほど簡単になります。
セキュリティ対策は待ってくれません。働く世代の皆さんは「複数端末でのリスク分散」を意識し、シニア世代の皆さんは「公式のサポートの活用や家族と情報を共有」して、ぜひ今週中にでも、ご利用中の銀行や証券会社のセキュリティ設定を確認してみてください。

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