◎注文をまちがえる料理店

2017年6月、NHKディレクターの小国士朗氏がグループホームの取材をしたことがきっかけで「注文をまちがえる料理店」というプロジェクトが立ち上げられました。小国氏の著書で「ひっそりと」と称されていたとおり、大々的な広告を打った商業プロジェクトではなく、SNSの投稿等がきっかけであっという間に話題になったそうです。クラウドファンディングで資金が集まり、小国氏の予想を超えた反響で世界各国で紹介されるに至っています。

◎まちがえたっていいじゃない

小国氏がグループホームのロケ中に認知症の入居者さんが作ってくれた食事。その日のメニューはハンバーグだったのに餃子が出てきました。最初とても違和感を感じたものの、介護の現場で瑣末な事にこだわった自身を恥ずかしく感じられたと同時に、突然「注文をまちがえる料理店」というワードを思いついたそうです。

そしてブワッと湧いたイメージが「この料理店で働くのは認知症の状態にある人たち。自分はここで注文し、間違ったメニューを配膳されるけど最初から間違えると言われているので嫌じゃない。むしろ楽しんでいるかもしれない」「これは相当おもしろい」と直感され、様々な問題に直面しつつも最初のワクワク感はそのままに楽しんでこられたようです。

◎コストが価値に転じた

このプロジェクトの素晴らしいところは、注文を間違う事以外についてはプロフェッショナルに徹している事です。料理店としてのクオリティを保つため、料理そのものについては勿論の事、注文の取り方から価格設定、内装などにきめ細かい配慮が行き届き、「間違えることを受け容れて楽しむ寛容さ」が保てる環境が創られていました。

間違える事についても熟考されています。間違えてしまうことはあるけれど、ご本人達は間違えたいわけではない。その気持ちを大切にしています。もしかしたらお客様が期待されるかもしれないけれど、わざと間違えるような仕掛けはしないと決められていました。結果、通常「コスト」とされる「間違い」が「価値」に転じるミラクルが起こり何ともいえない温かくほんわかとしたレストランが生まれました。

「注文をまちがえる料理店」はフェイスブックで情報発信をされています。常時開催されているお店ではありませんが、ぜひこの世界に触れて何かを感じていただければ幸いです。

参考文献/『注文をまちがえる料理店』小国士朗著 あさ出版

 


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