暴落の前に天才が現れる

会長ジョン・K・ガルブレイスは「新版・バブルの物語」の中で〝暴落の前に金融の天才がいる〟〝輪をかけた「テコ」の再発見〟があるといっている。

安倍首相が2016年4月消費税再延期を表明してから財政再建への懸念に対してヘリコプターマネー論やベーシック・インカム論、シムズ理論など「国の借金は返さないでよい」あるいは「国の借金は返さなくともインフレにすれば借金の負担は軽くなってしまう」など安倍首相の消費税延期の表明以来財政再建放棄を擁護する論調が出てきた。

あたかも、ジョン・K・ガルブレイスが言うように赤字財政を擁護するような天才たちが〝輪をかけた「テコ」〟を引き下げて現れてきたかに見える。

二兎を追う政策は続かない

現在のアベノミクスは二兎を追う政策でアクセルをふかしながらブレーキも踏む政策である。

ほっとタイムス2016年2月号(203号)「二兎を追う」でも取り上げたが、二兎を追う政策はカーメン・M・ラインハート氏とケネス・S・ロゴフ氏が、著書「国家の破綻」の中で云うように「公的債務がGDPの90%を超えると経済成長率が1%低下する」「したがって、公的債務の累積が経済成長を押し下げるならば、『成長が先、財政再建は後』は成り立たない」「先に成長したくとも、公的債務の重石のために成長できない」といっている。

アベノミクスで膨大な債務を積み上げながら成長戦略を必死でやっていても経済成長率は債務の重石に抑えられ、物価目標も当初の2%目標を達成できないでいるのを言い当てているかのようである。

自然災害と経済災害

阪神淡路大地震、東日本大地震、近くは御嶽山噴火、直近の草津白根山噴火など皆、人知の想定外のところで自然災害が発生している。バブルも崩壊してみなければわからないことは多くの人たちが述べている。

政府は自然災害については被害を最小限にするように災害対策マニュアルの作成や避難施設の準備や被害を最小限にするように行動している。

しかし、いま想定されているような財政破綻による国民に対する経済災害に対しては、政府は国民を避難させよう、あるいは、回避政策(財政再建政策)を取るのではなく逆に国民が回避できないように

①出国税
②海外財産調書
③財産債務調書の厳格化
④海外預金口座の総合通報システム
⑤預金口座へのマイナンバーの使用

など水も漏らさぬ国民包囲網を完成させたところである。

国民を経済被害からの退避や逃避を進めるのではなく、逆に逃げ道を塞ぎ国民の財産を一網打尽にすると思いたくなるような政策をとっている。

マグマはたまっている

ジョン・モールディンとジョナサン・テッパーは7年前に著した「エンド・ゲーム」〝国家債務の危機の警告と対策〟の中で、日本の現状を「潰れようとしている虫」と酷評し、「日本、これは大規模な騒乱の条件をすべて備えた国だ」とし、一章を設けて日本を分析した結果を

⃝ 日本における大規模な負債危機と通貨危機は起きるかどうかではなく、いつ起きるかという問題だ。

⃝ 政府は、経済収縮による厳しい不景気や不況に経済を曝すよりは、金を刷るのが通例だ(※)。これが起きたら、円の価値は下がりかねず、日本の金利は上がり、日本の国債は叩き売られる(※安倍政権の政策そのものを云っているようである)。

⃝ 一度終盤戦の道を下がり始めたらそれから外れるのが難しい。それはバーン!の一瞬だ。そして、もしそれが日本だと「ものすごいバーン!」の瞬間となる。

と書いている。

吉野直行氏は雑誌「選択」2011年3月号で「極めて深刻な財政状況が野放しになっています」「仮にこの状態が続いた場合、その先に待ち受けている事態➡金利は何の予兆もなく上がる。それが一番怖い。危機は突然起こる」と。さらに、東証・日経平均が16連騰した後の2017年11月号では「アベノ『バブル』は必ず弾ける」というタイトルで懸念を表明しているのである。

リーマン・ショックに賭けた人たちを書いた「世紀の空売り」を読んだが、ヘッジファンドの中には日本の暴落に賭けている人たちが沢山いるであろう。

短期国債の半分以上が外国人であるとの新聞記事があったがじっと日本を狙っている人々の視線を感じるのである。

 

税理士法人LRパートナーズ
代表社員 小川 湧三


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