保険金を受け取った時の税金は?
身近なようでなかなか分かりにくいのが、保険に関する税金です。
今回は保険金の受け取りに伴う税金について考えてみたいと思います。
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保険金等の支払い
個人で事業を営むXさんは、万一の場合に備えて、複数の保険に加入し、保険料も自分で支払っています。昨年は、次の3つの保険金等の支払いを受けました。さてそれぞれどのような税金がかかるでしょうか?
【その1】
満期の保険金600万円の支払いを受けました。受取人はXさんです。これまで支払った保険料は約570万円です。
【その2】
満期の保険金500万円の支払いを受けました。受取人はXさんの配偶者です。これまで支払った保険料は約480万円です。
【その3】
持病の治療のため3週間ほど入院し、入院給付金、手術給付金の支払いを受けました。退院してからは通院給付金の支給もあり、総額は60万円ほどになりました。受取人はXさん本人です。
納める税金について
★それでは次に、納める税金について見ていきましょう。
【その1】
所得税・住民税がかかります。納めるのはXさんです。一時所得という扱いになり、所得金額は、次の算式で計算されます。
(受け取った保険金−これまで支払った保険料−50万円)×1/2
今回の所得金額、(600万円−570万円−50万円)×1/2はマイナスなので、税金の負担はありません。
【その2】
贈与税がかかります。納めるのは配偶者です。贈与税額は次の算式で計算され、これまでに支払った保険料を差し引くことはできません。
(贈与額−基礎控除額110万円)×税率−控除額。今回の贈与税額は、 (500万円−110万円)×20%−25万円=53万円になります。
【その3】
税金はかかりません。入院給付金等は非課税所得として取り扱われます。
さて注意が必要なのは、【その2】のケースです。受取人に家族を指定するのは心情的には理解できますが、結果としては税金の負担が増えてしまいます。
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年末から確定申告の時期にかけて、ご自身の生命保険料控除証明書をご覧になり、契約内容を再確認された方も多いのではないでしょうか?
保険の契約内容について見直す際には、保障内容だけでなく、税金の負担についても確認されることをお勧めします。
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